【木村和久連載】しんどいことばかりの、プロツアーの試合観戦 (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 何にしても、アマチュアゴルファーであるゴルフファンにとって、現状の日本男子ツアーの試合観戦は、精神的にしんどいのです。

 まず、トーナメント会場に行く過程が難儀です。普段、自分がプレーするときは自慢の高級外車などで乗り付けますが、試合観戦となると、電車を乗り継いで、シャトルバスで移動。そうやってがんばって来たご褒美が、会場でアポロキャップをもらえて、よかったですね、といった具合。なんだかなぁ......。

 さて、コースに着きました。いつも大手を振って歩いているフェアウェーですが、観戦中は中に入れません。当たり前ですが、いつもOBゾーンの外ばかりを歩きます。

 前出の東京よみうりCCなんか丘陵ですから、歩くところは傾斜ばかり。そこでは、「オレはこんなところにボールは打たないぞ」なんて文句をぶつくさ言って、丘の上から見るパッティングシーンでも、「あの選手、全然ショートじゃん」と、遠目から不満をたれます。が、単なるギャラリーですからね、永遠に自分の打順は回ってきません。あしからず......。

 さらに、トーナメント4日間の通し券で料金1万円くらい払っているのに、クラブハウスを利用できません。雨の日はもちろん、クソ暑い日や寒い日でも、クラブハウスに入れずに丸一日外で過ごすのは、ホントしんどいです。

 クラブハウスでふんぞり返りながら、ビールを飲んで、特製チャーシュー麺とか食べられないし、トイレだって、ウォシュレット付きの、お尻に優しい便座も使えません。ギャラリーは、工事現場にあるような、簡易トイレで用を済まさざるを得ないのです。しかも、和式トイレだったりしたら、治りかけの痔が再発しそうで怖いです。トホホ......。

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