イ・ボミの人生を変えた「勇気ある決断」と「運命の出会い」 (5ページ目)

  • 金明昱●文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

 もっとも、2015年シーズンに7勝を挙げて、目標の賞金女王に輝くことができたのは、そんなチョコーチをはじめ、“チーム・イ・ボミ”の存在があってこそ。キャディーの清水重憲氏、トレーナーの渡辺吾児也(わたなべ・あるや)氏、用具契約メーカー『本間ゴルフ』のスタッフ、所属事務所のマネージャー、そして母親が、チームとなってイ・ボミを支えてきた。

 そのため、彼女は賞金女王になれた要因を聞かれるたびに、彼ら、彼女らの名前を挙げて、感謝の気持ちを述べた。

「賞金女王という目標を実現できたのは、私をサポートしてくれたみなさんのおかげ。プレーするにあたっては、キャディーの清水さんが試合前からいろいろなことを考えて、しっかりと準備をしてくれました。トレーナーの渡辺さんは、勝ちたい試合に合わせて、きちんとコンディションを整えてくれました。本間ゴルフのスタッフは、私のスイングやゴルフ場の状況に合わせて万全の状態にクラブを仕上げてくれました。さらに、所属事務所のマネージャーは、私がプレーしやすい環境を常に作ってくれました。そして、毎日お祈りをしてくれた母が、おにぎりやドリンクを作ってくれて、私を支えてくれました。それだけのみなさんが一丸となって、私を全力でサポートしてくれたから、賞金女王を勝ち取ることができたんです。

 また、今年は“チーム”として、より緻密な準備ができていたと思います。そして、その細かい準備の歯車が、ぴったりと合っていました。これこそ、『チームでつかんだ勝利だな』という実感を、優勝するたびに感じていました」

 自らの実力ではなく、「みんなで勝ち取った勝利」と強調するイ・ボミ。いつまでも変わらぬその謙虚な姿勢が、イ・ボミの強さであり、また魅力なのだろう。

(つづく)第3回はこちら>

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