【木村和久連載】ルール&マナーにこだわって、本当に楽しいですか? (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 6インチプレースは、手のひらを伸ばしたくらいの距離、およそ15cmですかね、その範囲内は自由にボールを動かしていいということ。そうなると、ディボットに捕まったり、ベアグランド上にあったり、あるいは木の枝に挟まったりといった状況から逃れられ、へんてこなライから打つことはなくなります。

 さらに、個人的な推奨としては、バンカー内でも“スルーザグリーン6インチプレース”を実践したほうがいいと思っています。ルール上では、靴跡にボールが埋まっていても、そのまま打ちますが、ビギナーでは到底打ち出せません。他のパーティーのマナーの悪さの尻拭いを、なんで自分らがしなければいけないのか。非常に不条理を感じますしね。

 だいたい1ホールで10以上叩く人は、スコア自体が適当です。本人は頭に血が上っていますから、冷静に数えているとは思えません。同伴プレーヤーだって、「なんで、こんな下手なやつのスコアを数えなければいけないんだ」と、憤慨していることでしょう。

 だから、叩いたビギナーのスコアは、誰もわからないのです。本人が「8です」と言って、同伴者が「そうだっけ? OBを数えていないでしょ?」と指摘して、「あっ、そうか。じゃあ、10です」と言って、10が採用される。そんな按配ですから、本当は11か、12かもしれない。真相は謎です。

 ですから、ビギナーがスコアを数えることは、無意味です。“倉本プロ・ルール”で、スコアをつけないのが一番いいでしょう。

 さすれば、ゴルフを「嫌い」と言わず、今後もやってみようという人が増えるんじゃないですか。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

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