日本女子ツアーを制圧。「強い」イ・ボミは、こうして生まれた (4ページ目)

  • 古屋雅章●文 text by Furuya Masaaki
  • photo by Getty Images

 また、今季はパッティングの際に、構えたらすぐに打つようにしたという。それも、カップインの確率アップにつながった。清水キャディーが解説する。

「今までは、ちょっと嫌な、2mくらいのパットでは、構えてから打つまでの時間が長くて、それまでに、せっかく作ったイメージが消えてしまい、ミスすることが多かったんです。逆に、5~6mくらいの(入る)期待が薄いパットは構えてすぐにリズムよく打って、ポンッって入ることが結構あった。それで、普段の練習ではタイムを計って、構えてから一定の時間内でリズムよく打つ練習を繰り返しました。おかげで今季は、劇的にショートパットが入るようになりましたね」

 そしてもうひとつ、イ・ボミが今季、清水キャディーとともに遂行したのが、ルーティーンの確立だ。その効果について、清水キャディーが語る。

「ルーティーンと言っても、ボールを打つ直前だけのものではなく、試合会場に入ってからティーオフするまでの時間の“ルーティーン化”です。ティーオフまでの時間を毎試合一定にすることで、気持ち的に間延びしたり、焦ったりすることがなく、いつも同じ気持ちでスタートできる、というメリットがあります」

 イ・ボミの場合は、ティーオフの55分前に会場入りし、ロングパット、ショット、アプローチ、ショートパットの順番で練習をして、スタートしていく。このルーティーンを常にこなすことで、たとえ優勝争いとなる最終日最終組の朝を迎えても、イ・ボミは「普段と変わらぬ気持ちでスタートすることができた」と言う。

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