日本女子ツアーを制圧。「強い」イ・ボミは、こうして生まれた (2ページ目)

  • 古屋雅章●文 text by Furuya Masaaki
  • photo by Getty Images

 スイングに関しては、チョ・ボムスコーチが徹底指導。左に行かないスイングの形をイ・ボミの体の中にしみ込ませていった。

 それに合わせて、クラブの改良については『本間ゴルフ』が全面的にサポート。担当の井上友之氏によれば、「今季はドライバーのロフトを10.5度と多めにして、球を上がりやすくしました」という。井上氏が続ける。

「そうすることによって、力みが抜けて、左への引っ掛けを防止できます。ロフトが多くなった分、球はつかまりやすくなるのですが、そこはシャフトを柔らかくすることで、引っ掛かりを防ぐように対応しています」

 さらに、イ・ボミは今年、「ミスを少なくするための体作り」をトレーナーの渡辺吾児也(あるや)氏とともに取り組んできたという。渡辺氏が説明する。

「シーズン中にやってきたのは、バランスボールなどを使って、自分の重心位置を知ること。さらに下半身の強化をすることで、効率よく飛ばせるようにすること。加えて、体幹のトレーニングで背骨周りも強化してきました。それらの結果、スイング軸が安定し、ミスが減ったと思います」

 そして最後は、試合中に清水キャディーがこんなアドバイスを送っていた。

「嫌なイメージを残したまま打つことは、打つ前からその後のミスへとつながっていくので、少しでも嫌なイメージがある場合は、事前に言ってほしい。そうすれば、ミスを少なくできるかもしれないから」と。

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