【木村和久連載】ショート&ミドルコースでこそ、技術は上達する (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 何が違うのかというと、第一にパー72のコースはスコア至上主義になりがちです。ラウンド中、さまざまな計算が働きますよね。

 例えば、ハーフの最終9番ホール(パー4)を迎えて、ボギーをとれば「44」をマークできるとします。アマチュアにとって、ハーフ「45」切りはひとつの目安ですから、当然ボギー以内を狙いにいきます。セカンドがわずかにショートして、3打目の残り距離がピンまで30ヤードとすれば、おそらくボールを上げるリスクを回避して、転がしで安全に寄せていくでしょう。

 また、例えば狭い林間コースでプレーしていたら、ティーショットではドライバーを使わずに5番ウッドで刻んだり、グリーン上ではカップを越えるような強気のパットをしないで、確実に「OK」をもらいにいくパッティングをしたりするのではないでしょうか。

 そうやって、常に手堅いゴルフをやっていると、新しい技術を覚えなくなるんですよね。要するに、プレーが小さくまとまって、それ以上の伸びしろがなくなってしまうのです。

ショート&ミドルコースでは、さまざまな技術をトライできるのがいいんですよ。ショート&ミドルコースでは、さまざまな技術をトライできるのがいいんですよ。 一方で、ショートコースやミドルコースでは、トータルスコアがまちまちですから、ハーフ「39」で回っても、それが上手いんだか、下手なんだが、皆目見当がつきません。つまり、スコアにこだわらないゴルフができるんです。

 だから、普段試そうと思っているショットをバンバン打てます。それに今は、たいがい回り放題でいくら、という値段設定のコースが多いですから、失敗したり、叩いたりしたら、また回ればいいんです。即座に反省して、またチャレンジ。そうやってプレーしたほうが伸びる可能性があります。

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