【木村和久連載】「大叩き」をした場合、その日に練習すべきか (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

「叩いた日に練習するのが一番いい」と言われていますが、実際はそんな心境にはないですよね。頭に血が上っていますから、冷静な判断のもとに練習できるかどうかも疑問です。血圧を下げると言われている『ゴマ麦茶』でも飲んで、おとなしくしているのがいいかもしれません。

 かつて、私が叩いた日の矯正法は凄まじかったですね。ラウンドの前半に叩いて、こりゃ大変だってことで、昼休みにコースのドライビングレンジで練習していたほどです。そんなことが、3回くらいはありましたか。

 その際、練習場じゃあ、すっかりいい感じに治って、いい球が出るのですが、午後のラウンドが始まると、「あらら~」という具合に、また前半の悪い状態に戻って叩き始めてしまいました。これは不思議ですね。同じことが何度かありましたが、いつも一緒なんです。

 叩いた直後というのは、興奮しているので、精神面で問題があります。何よりアドレナリンが出まくりです。そんな状態だと、余分なパワーで暴走したり、集中力も欠けたりして、ケアレスミスを起こしやすいんです。結局、ラウンド中の矯正なんて、一時しのぎで、思ったより効果は出ないんだと思います。

 じゃあ、ラウンド後の、夕方にでも昼間の反省をするのがいいのでしょうが、まずそんな時間はないでしょう。体が疲れているし、精神的にもまだ参っています。アプローチやパターでの"反省会"はやってもいいですが、ショットまでやるのは、そもそも体がついていかないし、疲れるだけだと思います。

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