【ゴルフ】「飛ばない」青木瀬令奈がシード獲得目前まできたワケ

  • 金明昱●文 text by Kim Myung-Wook
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

「コーチというのは、ツアーを志向している大西翔太プロです。同い年で、ジュニアの頃から知っていて、キャディー兼コーチという形でお願いしました。大西さんのおかげで、確実にゴルフは変わりましたね。序盤戦は調子が悪かったのもあるんですが、ドライバーの飛距離が210~220ヤードくらいしか飛ばなかったんです。それが、サロンパスカップでは開幕戦当時よりも20ヤードほど飛距離が伸びました。今では、30~40ヤードくらい伸びていると思います」

 飛距離が出るようになった要因は何なのか。続けて青木が解説する。

「スイングをアッパー軌道に修正していったんです。『トラックマン()』のデータに、“アタックアングル”というものがあるんですが、クラブヘッドがボールをとらえる入射角度を計測するもので、その数字がプラス表示だと、アッパー軌道で打てているということになるんですね。で、開幕当時に私は、マイナス6だったんです。それが今では、プラス3.5とか4という数字が出るようになって、それだけで飛距離が30ヤードは伸びました」
※さまざまな打球のデータを測定する機械。スイングのチェックもできる。多くのツアープロやコーチが活用。クラブフィッティングやクラブ開発にも役立っている。

 そうは言っても、シーズン中にスイングを改造することは、かなり勇気がいることだ。修正に失敗すれば、たとえ飛距離は伸びても、ボールが真っ直ぐに飛ばなくなることもある。スイング改造に着手して、第一線から消えていったトッププロも少なくない。

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