【ゴルフ】「1mのパットが入らない」金田久美子が再起できたワケ (4ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by Getty Images

「やめないです(笑)。だって仕事だし、できることこれしかないから」

 彼女は、そう言って笑った。

 では、シード権獲得という目標の次には、どんな目標を設定しているのか?

「リコーカップに出ること。その次の目標は、リコーカップに出場できてから考えます」

 ツアー最終戦、11月に行なわれるLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ(11月26日~29日/宮崎県)には、その年のツアー優勝者と賞金ランキング上位25位までが出場できる。現在、金田の賞金ランキングは30位(2348万4833円/9月23日時点)。目標達成にはさらなる賞金の上積みが必須だ。それでも、彼女の表情は明るい。

 最後に聞いた。今、ゴルフは好きですか?

「フツーです。前は大っ嫌いだったのに(笑)。だから、どれだけ練習しても苦じゃないです」

 アマチュア時代、“天才少女”と謳(うた)われた金田久美子。波瀾に満ちたゴルファー人生を歩み続け、彼女はまだ自分が何者かになれるのか知らない。どこまでいけるかもわからない。ただ、目の前に果てしなく続く階段を上り続ける覚悟は決めた。

 そんな彼女に“復活”という言葉を使うのは失礼だろう。いつか、2011年のフジサンケイレディスクラシック以来となるツアー2勝目をあげる日まで、その2文字はとっておきたい。

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