【ゴルフ】「1mのパットが入らない」金田久美子が再起できたワケ (3ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by Getty Images

「すごい寂しがりやで、地元で試合があるときに『応援に行こうか?』って聞くと、『きて、きて、きて!!』ってうるさいのは昔から変わらない(笑)。でも、寂しがりやのくせに、ゴルフの成績が悪くて落ち込んでるときは、絶対自分からは連絡してこない。気を使わせちゃうって思ってるんだろうね。そんなとこも変わってないよね」

 ただ、「変わった部分もある」と別の友だちが言った。

「練習量が昔とは全然違う。プロになったときに一度変わったんですけど、最近また変わって。前はオフの日は絶対にクラブを握らなかったのに、今はオフの日に会う約束をしても、練習してから来るんですよね。『明日、早いから帰って寝なきゃ』って帰るのも早いし」

 以前、大会で金田がパーパットを沈めると、ギャラリーから「ナイスバーディー!」という声援が上がったことがある。もしやと思い聞いてみるとビンゴだった。

「それ言ったの、うちです(笑)。ルールはいまだにわかんなくて。でも、クミのことはずっと応援します。友だちだから。ゴルフはあんま興味ないけど(笑)」

 その派手な見た目はもちろん、ギャラリーに笑顔を振りまくわけでもない。勘違いされる要素はいくらでもそろう。しかし、スランプ中は眠れぬ夜を数え、ゴルフ場に近づくだけで涙をこぼす繊細さを金田は持ち合わせている。

 セカンドラウンドを終え、クラブハウスでアイスモナカを頬張る彼女に、その繊細さゆえ、いつか突然ゴルフをやめてしまう日が来るのではないかと思っていたことを伝えた。

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