【木村和久連載】会社におけるゴルフコンペとの正しい付き合い方 (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 実は、団塊世代でゴルフにはまり、ゴルフで人脈を築いた方は、自分の息子を大学のゴルフ部に入れたがります。ゴルフが上手いと、就職にも有利だし、出世の早道だと知っているからです。つまり、その後輩、コンペじゃ、レッスンプロ扱い。その重宝のされようは、想像以上です。

 そんなわけで、一般的な若手社員は、朝早く行って、皆さんに挨拶しながら、受付のお手伝いをし、“デキる”男を演出します。アホらしいけど、これが現実です。

 そうして、無事にラウンドを終えました。さっとシャワーを浴びて、上司と一緒にパーティーのお手伝いをします。景品を並べたり、スコア集計を手伝ったりといった作業ですが、協力している感があって、その時間は充実したものです。

 しかしそんな矢先、ひと足早く集計結果がわかって愕然とします。なんと「94」だったのに、隠しホールがうまくはまって、1位になってしまいました。優勝賞品は、4K液晶テレビです。明らかに、自分がもらっちゃまずい雰囲気です。上司に目でうかがいをたてると、首を横に振って、しかめっ面をしています。

 迎えた表彰式。結果から言うと、順位は4位でした。初参加者は、「3位までの入賞資格なし」とのこと。せっかく優勝スピーチの下書きまでしたのに、3割がっくし、7割はホッとした、というのが正直なところでしょう。

 そんなこんなで、オフィシャルなゴルフコンペは、本当に気苦労が多いです。いつか、VIPで呼ばれたいものです。が、若手社員が役員になる頃、会社のゴルフコンペは存続しているんでしょうか……。そっちのほうが心配ですね。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

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