【木村和久連載】東京五輪のゴルフ会場、本当に埼玉でいいの? (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 個人的な見解を言わせてもらいますと、霞ヶ関カンツリー倶楽部での開催については、やや不満があります。

 何より、東京五輪が終わったあと、みんながそこでラウンドするのか? というと、そう簡単にはいきませんから。霞ヶ関カンツリー倶楽部は、基本的にメンバー同伴でないと、ラウンドさせてもらえないコースです。

 一方、若洲ゴルフリンクスでやるとなると、話は変わります。パブリックコースですから、老若男女、誰でもラウンドできます。「わ~い、五輪開催コースでプレーしたぜ!」と、みんなが未来永劫楽しめるのです。

 ゴルフ場の改修にしても、若洲ゴルフリンクスは、前述のとおりパブリックコースですからね、1年間クローズにしても、誰も文句を言いません。予算にしても、ゴルフ場を作ること自体、50億円とか言われていますから、改修なんて、せいぜい数億円。がんばっても、10億円程度で済みます。

 若洲ゴルフリンクスでやったほうが、プレーヤーも、ギャラリーも喜ぶのに、なんで埼玉の名門にこだわるかなぁ……。

 若洲ゴルフリンクスには18ホールしかなく、五輪の会場には「36ホールあるゴルフ場が理想」という意見もあります。「何かあったとき、代替えができるから」と言います。

 じゃあ、国際試合はみんな、36ホールあるコースでやっているの? マスターズのサブコースなんて、聞いたことないですよ。結局、それは屁理屈ですね。

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