【ゴルフ】米ツアー進出? イ・ボミが賞金女王の先に見据えるモノ

  • 金明昱●文 text by Kim Myung-Wook
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 9月に日本女子プロ選手権(9月10日~13日/長崎県)、10月初めには日本女子オープン(10月1日~4日/石川県)と、国内メジャーが2戦、さらにホステスプロを務めるマスターズGCレディースを含めて、その後も優勝賞金が2000万円前後の、高額賞金の大会が続々と控えている。つまり、それらの大会で他の選手が優勝すれば、イ・ボミとの差も一気に縮まる。ゆえに、イ・ボミが今の状況を楽観的にとらえることはない。

 また、イ・ボミがそれだけ危機感を募らせるのは、賞金ランク2位につけて彼女を追いかけているのが、テレサ・ルーだからだ。

 テレサ・ルーは今季、すでに3勝を挙げていて、実力のバロメーターと言われる平均ストロークも1位(70.0027)で、2位のイ・ボミ(70.2656)を上回っている。イ・ボミに勝るとも劣らぬ安定感抜群のゴルフを披露し、海外メジャーの全英リコー女子オープン(7月30日~8月2日/スコットランド)でも最終日最終組でラウンドして6位でフィニッシュ。大きな自信をつけて、これから行なわれるビッグトーナメントでも間違いなく優勝争いに絡んでくるだろう。3勝目を挙げた先日のNEC軽井沢72(8月14日~16日/長野県)でも、その強さは際立っていただけに、イ・ボミが「うかうかしていられない」という気持ちになるのもわかる。

 そうなると、これまでの、2位が7回という数字が、偉大ではあるが、惜しくも感じられる。その点について聞くと、イ・ボミは悔しそうに唇を噛んだ。

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