J・スピースは「ポスト・タイガー」か。米メディアの率直な評価 (3ページ目)

  • 武川玲子●文 text by Takekawa Reiko
  • photo by Getty Images

 また、メジャー大会の直前は準備期間にあてる選手が多い中、スピースは全英オープンの前週に、「2年前にスポンサー招待で出場させてもらったから」と、律儀に米ツアーのジョンディア・クラシック(7月9日~12日/イリノイ州)に強行出場。しかも、見事優勝を果たして、スポンサーへの恩をしっかりと返した。

 そうしたスピースの言動や行動を、米ゴルフダイジェスト誌は絶賛。ある紹介記事では、次のように綴って、締めくくっている。

「スピースには、障害を持つ妹、エリーがいる。スピースはそのエリーを、幼少の頃から『僕のアイドル』と言って、可愛がってきた。何事にも謙虚に取り組むのは、そうやって育ってきた家庭環境にあるのかもしれない」

 CBSスポーツや米ゴルフダイジェスト誌に限らず、アメリカ国内におけるスピースの評価はすこぶる高い。厳しい論評や非難するような記事は皆無と言ってもいいぐらいで、NYタイムズ紙では、次のように記されていた。

「数十年にひとりの逸材。ゴルフ界がスピースにかける期待は、ウッズと同等、あるいは上回る」

 続けてNYタイムズ紙は、ウッズに劣らぬ、スピースのスポンサー契約について紹介。スピースの“すごさ”を重ねてアピールしている。

「1996年、ウッズはプロに転向するや、ナイキ社と推定3000万ドルの契約を結んで注目を浴びた。一方、スピースもプロ転向直後の2013年1月、アンダーアーマー社とゴルフウエアの単独契約を結び、今年5月には2025年まで契約を延長。その金額は、ウッズに並ぶと言われている。つまり、アンダーアーマー社は、向こう10年以上の社運を、22歳のスピースに託したのだ」

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