難コースに苦戦。松山英樹、「日本育ち」ゆえの全米オープン18位 (5ページ目)

  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva
  • photo by Getty Images

 とはいえ、松山はここで、自らの足りないモノを知った。本人も結果を出した選手との差を語っていたように、勝つためには今の自分に何を足していけばいいのか、少なからずわかったと思う。そういう意味では、改めて挑戦意欲が増しているのではないか。また、こういう経験の積み重ねが、今の松山にはすべて自らの"肥やし"になっている。それに、アメリカ育ち、日本育ちという差も、アメリカで1年、2年......と繰り返しプレイしていれば、そこに順応していくし、埋められる。そういう意味では今後、松山にはいくらでもチャンスはあるわけだから、今回の結果は何ら悲観することはない。

 だいたい、メジャー大会なんて、そう簡単に勝てるものではい。フィル・ミケルソン(45歳/アメリカ)だって、プロ入り(1992年)してから10年以上経って、初めてメジャー制覇(2004年マスターズ)を果たした。それに比べて松山は、プロ入りしてまだ3年目。米ツアーを主戦場にしてから2年目。そんな彼に、周囲は早急な結果を求めるべきではない。じっくり待っていれば、松山が歴史を刻む瞬間は、必ず訪れるはずだ」

 次なるメジャー大会は、スコットランドの名門、セントアンドリュース(オールドコース)で開催される全英オープン(7月16日~19日)。全米オープンと同じ、リンクスコースである。またひと回り成長した松山が、どんなプレイを見せてくれるのか、楽しみにしたい。

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