難コースに苦戦。松山英樹、「日本育ち」ゆえの全米オープン18位 (4ページ目)

  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva
  • photo by Getty Images

「ひと言で言えば、今回松山は、また未知なる世界を知ったというか、新たな"壁"にぶつかった、といったところだろうか。別にそれは、いい意味でも、悪い意味でもない。まず、単純に結果として(海外の選手と)差が出たのは、アメリカでのゴルフ生活、キャリアというものが長いか、短いか、ということが一番大きい。ああいうとんでもないコース――距離にしても、うねったグリーンやフェアウェーにしても、さらに芝質にしても、アメリカで育った選手は多かれ少なかれ、ジュニア時代から経験はしてきている。しかし、日本で育ってきた松山は、日本のゴルフ場がトレーニング場であって、そうした経験はないに等しい。その差というのは、実は意外に大きい。

 そうして、今回の全米オープンのようなコースでは、クリエイティブな部分とイマジネーションがすごく要求される。そんな状況にあって、イマジネーションに関しては、松山も結構持っているほうだけど、ああいうコースでプレイしてきた実戦経験がないから、どう対処すべきかわからないことも多かったはず。アメリカで育った選手ならば、過去にどこかで経験していて、まったく慌てたりしないことでも、松山には戸惑うことがあっただろう。その差が、結果に表れたのだと思う。松山にとってみれば、準備は整えてきたけれども、また違う"ステージ"が自分の前に立ちはだかっていた、という感じではないだろうか。

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