【ゴルフ】イ・ボミの誓い「何より家族の笑顔のために...」 (3ページ目)

  • 金明昱●文 text by Kim Myung-Wook
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 イ・ボミが絶大な信頼を置いている、キャディーの清水氏。そんな清水氏の後押しを受けて、イ・ボミも腐らずに前を向いていられた。そして、清水氏から常に言われる「信じて打とう」という言葉が、プレイ中には大きな支えになっていたという。

「(清水氏には)メンタル面で支えになってもらっています。繰り返しになりますが、結局大事なのは、自分のショットの精度。方向性などがより正確なものになっていけば、もっとスコアを伸ばしていけると思うんです。

 必要なことは、今までどおりにやること。結果が出ていないからと言って、何か特別なことをやる必要はないと思っています。実際、昨年よりも好調ですし、この先まだ20試合以上もあります。一生懸命やっていけば、自ずと優勝は見えてくると思います」

 そう言って、笑顔を見せるイ・ボミ。優勝できないことにもどかしさを感じながらも、焦りや切羽詰った感じはなかった。

 それでも、彼女を取り巻く環境は、昨年父親が亡くなってガラッと変わった。「私が“カジャン(家長)”になった」と、イ・ボミは表情を引き締める。

「父が亡くなって、私の家族は、母と私を含めた4姉妹の5人。その家族を、私が支えていかなければいけない立場になりました。それが、最初はすごくプレッシャーでした。私が家族みんなの生活を支える立場になるなんて、想像もしていなかったですから。でも、母や姉妹も、プロゴルファーである私をずっと支えてきてくれました。みんなのためにも、私が父親の役割をしっかりと果たして、改めてがんばっていかなければいけないな、と思っています」

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