予選12位通過も松山英樹を苦しめたマスターズの「異変」

  • 三田村昌鳳●文 text by Mitamura Shoho
  • photo by AP/AFLO

「あと10cm左だったら、池でしたね。でも、自分は池に入るとは思っていませんでしたけど(笑)」

 運をつかんだ松山は、その3m弱の寄せを見事にチップイン。バーディーを奪った。

「あれで流れが変わったと思います」という松山はその後、13番、15番のロングホールでも着実にバーディーを奪取。17番でボギーを叩いたものの、通算3アンダーで決勝ラウンドへ駒を進めた。

『リスクと報酬』という言葉がある。限りなく冒険をして、危険を覚悟で攻めた結果、報酬(好スコア)がやってくるという意味だ。

「(この2日間を振り返っても)もう終わった結果なので。明日から2日間あるので、終わったことを後悔するより、先のことを考えたい。明日からうまくいくように、しっかりと考えてやっていきたいと思います」

 そう語る松山の脳裏には、残り2日間を『リスクと報酬』のスタンスで、上を狙っていく覚悟がある。そこで大崩れしないのが、“ウイナーズ・サークル”の選手である。世界の頂点をかけた本当の戦いが、これから始まる。

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