【ゴルフ】盟友・宮里藍が歓迎する、横峯さくらの「挑戦」 (3ページ目)

  • 武川玲子●文 text by Takekawa Reiko
  • photo by Getty Images

 その後も、横峯の苦しい戦いは続いた。オーストラリア女子(2月19日~22日/オーストラリア)も予選落ちし、日本女子ツアーのダイキンオーキッドレディス(16位タイ。3月6日~8日/沖縄県)を挟んで出場した、冒頭のファウンダーズカップでも予選落ちを喫した。ただ、この試合後、「何かが吹っ切れたかな、という感じがある」と、横峯は明るい表情を見せた。

 そのことについて、横峯のラウンドを常に見守っているパートナーの森川氏が説明する。

「これまで、予選通過にばかりこだわり過ぎていた。それが、今大会ではしっかりと上を見て、ぜんぜん違う形でプレイができていた。僕自身、ようやく安心して(横峯のプレイを)見ていられました」

 そして迎えたキアクラシック(3月26日~29日/カリフォルニア州)、この好気配がすぐに結果に表れた。横峯は初の予選突破を果たすと、そのまま上位争いに加わって、最終的に8位タイという好成績を残したのだ。

 実はこの試合の前、横峯はそれまで3戦連続で予選落ちしているにもかかわらず、「今週は優勝したい」という目標を口にしていた。次戦は、今季のメジャー初戦となるANAインスピレーション(4月2日~5日/カリフォルニア州)。同大会への出場資格を持たない横峯は、ここ(キアクラシック)で結果を残して「出場権を獲得したい」という思いも強かったのだ。その気持ちが、結果につながったとも言える。それは無論、森川氏の企てでもあった。

「メディアに対しても、あえて『優勝したい』と公言することで、そのレベルの戦いに自分を追い込むことができる。そういう(上位争いから)逃げられない状況を作りたかった」

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