過去2年とは違う。石川遼が2015年の初陣で見せた「変化」

  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva
  • photo by Getty Images

 2日目は、ドライバーが不調だった。10番スタートの序盤はフェアウェーをなかなかとらえられず、苦しいラウンドが続いた。それでも、途中からティーショットを4番ウッドで打ち始めると安定感が増し、バーディーチャンスも増えた。最終的には5バーディー、2ボギーの「69」。通算4アンダーとして、74位タイまで順位を上げた。

「ドライバーが曲がって、最後まで納得できるショットが打てなかった。それで、よく3アンダーで回れたな、と思う。ショットの内容からしたら、5オーバーくらい叩いてもおかしくない感じでしたね(笑)。ティーショットを4番ウッドに変えた? 結果を出すことを優先して、大事をとった。距離はそれほど長くないし、OBが浅いホールも多かったので、まずはトラブルを避けることを大前提にプレイしました。(アイアンショットも)途中までは、スイングのタイミングとか、リズムとかを気にし過ぎていた。それよりも、狙ったところにしっかり打とう、ということに徹した。そういう意味では、いいスイングができていたかどうかはわからないけど、試合中はそうしたことは考え過ぎないようにしたい。考え過ぎるとゴルフにならないので。今年は試合で(スイングの善し悪しにとらわれず)もっと"ゴルフ"をしたいと思っています」

 予選突破のためには、さらなるスコアアップが求められた3日目。1番でいきなりダブルボギーを叩いたのが痛かった。以降、4番、5番とバーディーを奪ってスコアを戻したものの、なかなかチャンスを決め切れなかった。10番の2.5mをはじめ、11番の4m、14番の3m、15番の6mといったバーディーチャンスを逃した。結果、16番、17番と連続バーディーを決めながら、18番でボギーを叩いて、ふたつスコアを伸ばすのが精一杯。通算6アンダーで、予選通過に2打及ばなかった。

「(1番で)ダブルボギーを叩いたあと、(バーディーパットが)何個かカップをなめて外れた。自分のミスパットもあったけど、もったいなかったな、と思います。スコアを伸ばさないといけないコースでしたからね。でも、このゴルフができていれば問題ないと思っています。スイングは、これまでの"型"にこだわったガチガチのものと違って、いかに自然体で打てるかを重視してきた。まだ不安な面はあるけれども、いいフィーリングで打てていて、収穫を得られました。今やっていることにもう少し自信が持てれば、飛距離もさらに伸びると思う。パッティングにしても、いい感じで打てている。前よりも"硬さ"がなくなった。とにかく、結果は出ませんでしたけど、この3日間は、プレイしていて本当に楽しかった。これからもそういうスタンスでゴルフが続けられればいいな、と思う。そして、優勝を狙っていきたい」

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