石川遼、米ツアー優勝へ「目標をひとつ上に修正した」 (2ページ目)

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Sports Nippon/Getty Images

 日本シリーズでは、これまでのものよりもシャフトが2.5インチ長い37.5インチのパターを投入。ゴルフの成長に必要と感じたら、リスクを恐れず、どんなことでも取り入れていく積極的な姿勢に変わりはない。

「(パッティングは)左脇を締めて打つのが自分のスタイルなんですけど、(この長さだと)よりパターとの一体感が感じられる。しっくりきています」

 日本シリーズと同じ日程で、アメリカではタイガー・ウッズ主催のヒーローワールドチャレンジ(フロリダ州)が開催され、世界のトッププレイヤーとして認められた松山は同大会に出場した。そして、大会の頂点に立ったのは、石川よりも年下のジョーダン・スピース(21歳)だった。同世代の活躍は、石川の上昇志向をさらに加速させる。

「自分と同じようなランキングだった選手が活躍すると刺激がある。自分の中では、(米ツアーで)一番下手な選手だと思ってやっているけど、『あの選手にできるのなら、自分にもできる』という気持ちもある。自信はあります」

 米ツアー本格参戦を果たした2013年シーズンは、シード権死守に奔走した。レギュレーションが変わった()2年目、2013-2014年シーズンは早々にシード権獲得にめどをつけて、夏場に長期合宿を行なうなどして、さらなるステップアップを目指しての試験的な一年を過ごしてきた。すでに開幕し、3戦に出場した2014-2015年シーズンは、いよいよ優勝を現実的な目標に据える。

※米ツアーは2013-2014年シーズンから10月に新シーズンがスタート(翌年9月まで)。ひとシーズンが年をまたぐことになった。

「(前シーズンまでの)ポイントをしっかりとって、シード権を確定させるという戦いから、(2014-2015年シーズンは)目標をひとつ上に修正した形になる。他の日本人選手もがんばっているし、日本の男子ゴルフ界も徐々に明るい兆しが見えてきているような気がする。同じように自分も(米ツアーで)がんばりたい」

 2015年こそ、アメリカから日本中を驚かせるニュースを発信してくれるだろう。

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