【ゴルフ】「大人のゴルファー」に変身した香妻琴乃 (2ページ目)

  • 野崎 晃●文 text by Nozaki Akira
  • 小内慎司●撮影 photo by Kouchi Shinji

 そもそもアマチュア時代は、2009年、2010年にナショナルチームに選ばれた実力者。得意クラブとするドライバーの飛距離は平均250ヤードと、将来有望なゴルファーとして、その活躍が期待されていた。そして実際、2011年のプロテストに一発合格。その年のファイナルQT(※)でも34位という成績を残し、翌2012年シーズンはツアーフル参戦を果たした。

※クォリファイングトーナメント。ファースト、セカンド、サード、ファイナルという順に行なわれる、ツアーの出場資格を得るためのトーナメント。ファイナルQTで40位前後の成績を収めれば、翌年ツアーの大半は出場できる。

 だが、プロの世界は甘くなかった。2012年シーズンは30試合に出場するも、最高位は12位タイ。賞金ランクは、シード権(50位以内)圏外の62位にとどまった。さらに翌年の2013年シーズンは、ファイナルQT95位で出場試合が10試合まで激減。少ない試合の中で結果を出すことはままならず、賞金ランクは112位まで落ち込んだ。

 それが今季、ファイナルQT60位で出場機会が限られている中でも、コンスタントに結果を残せるようになった。昨季は10試合中7試合で予選落ちを喫したが、今季はここまで11試合に出場し予選落ちは3試合のみ。5月のサイバーエージェントレディス(5月2日~4日/千葉県)で4位タイという自己最高成績を残すと、先のサマンサタバサ・レディースでは優勝争いを演じるまでにいたった。

 その要因を香妻はこう語った。

「ひとつは、オフの間のトレーニングの成果が出たことです。体を鍛えるのと同時に、ショットの練習に一番力を入れてやってきました。おかげで、ここ最近落ちていた飛距離が戻ってきて、安定感も増しました。そのうえで、自分自身で(ショットを)すぐに修正できるようになったんです。これまでは、急にショットの調子が悪くなったときに、なかなか立て直すことはできませんでした。でも今回、悪くなったショットをどのように修正していったのか、自分で振り返ってまとめてみたんです。すると、自分の癖がよくわかって、多少乱れても、すぐにショットの調子を戻すことができるようになりました」

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