【ゴルフ】全英女子、宮里藍を復活させた「練習改革」

  • テレビ朝日 全英リコー女子オープン取材班●構成 text by tv-asahi RICOH Women's British Open crew

 イギリスのロイヤルバークデールゴルフクラブ(全長6458ヤード、パー72)で開催されている、第38回全英リコー女子オープン(以下、全英女子)。2010年以来、6度目の開催となるこの舞台に、今年は史上最多11名の日本人選手が挑んだ。

不振だったパットの調子が上がってきた宮里藍。photo by Getty Images不振だったパットの調子が上がってきた宮里藍。photo by Getty Images 予選ラウンドを終えて、日本勢最上位の16位タイ(1オーバー)で決勝ラウンドに進出したのは、宮里藍。今季、「人生で初めて」というパッティングのスランプに陥っていたが、11度目の挑戦となる全英女子で完全復活へのきっかけをつかみかけている。

 バーディーチャンスにつけながら、惜しくも外す場面はあったものの、予選ラウンド2日間で、ボギーは出場選手中最少の3つ。そこには、短いパットを確実に沈めて淡々とパーを重ねる、宮里藍本来の姿があった。

「(バーディーパットが)入らない中でもイライラせず、その瞬間、瞬間に集中してプレイすることができました」

 その裏には、練習方法の改革があった。

 これまで宮里藍は「質」を重視した練習を行なってきたが、予選落ちを喫した全米女子オープン(6月19日~22日)のあと、父・優さんの提案により、質を維持しながらも「量を増やす」練習への転換を決断した。

「(普段の練習では)量よりも質を重視してやってきたんですけど、今は(不振の)パットの練習量を増やす方向にしました。プレッシャーの中でも、(正しい)パットのストロークを身体が覚えてくれるようになるまで練習しようかな、と。まだ足りないくらいなんですが、普段の軽く2倍は(パットの)練習をしていると思います」

 通常の練習ラウンドでは、質を重視してハーフラウンドで終える日を作っていたが、今大会の前は3日間連続で18ホールの練習ラウンドを消化。その後、パッティンググリーンでさらに練習を重ねた。カップまで1m弱の距離を、360度12分割した場所から、1回、1回丁寧にアドレスしてカップインさせるといった練習を繰り返し実践。正確なストロークを身体に覚え込ませていった。

 そして、その成果が見事本番に出た。父・優さんが語る。

「パットが悪ければ、ここまでの成績(16位タイ)は出せない。(パットが)いい感じで打てている証拠でしょう」

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