【ゴルフ】「耐える」全英女子。期待は宮里藍の復活劇 (2ページ目)

  • テレビ朝日 全英リコー女子オープン取材班●構成 text by tv asahi RICOH Women's British Open crew

 それでも、宮里藍への期待が膨らむのは、メジャー大会を前にしても不安な表情を一切見せることなく、いたって落ち着いているからだ。

「自分には以前、ドライバーの大スランプという経験がある。だから、(スランプのとき)自分がどうすればいいのか、ひと通りわかっているつもり。(スランプから脱出するには)時間がかかるのもわかるし、今の自分がどういう状況にあるのかも冷静に見られる。意外と楽観視しています」

 7年前にセントアンドリュースで開催された全英女子。宮里藍は、名物ホールである17番のホテル越えのティーショットで、まさかのOBを打った。その一打をきっかけにして、ゴルフをやめようか、と思い悩むほどの大スランプに陥った。しかし、このときの経験があるから、今の彼女に焦りはない。

「ドライバーのときもそうですけど、一打、一打を切り離して(目の前の)一打に対して一喜一憂しないように心がけています。それが自分のいいところだと思っていますし、試合に出場してプレッシャーの中で回数を打たないと、恐怖心は克服できないですから。もちろん、しんどいことはしんどいですよ。ゲームにならないときは、どうにもなりませんから。でも、それが当たり前というか、絶対はないんです、ゴルフには」

 宮里藍は一歩一歩、前向きに歩みを進めることで光を見出せることを知っている。ゆえに、苦しみからも逃げることなく、向き合ってきた。そんな彼女だからこそ、メジャーという大舞台での復活劇を期待したくなる。

 まして、ロイヤルバークデールで開催された大会で、宮里藍は11位タイ(2005年)、9位タイ(2010年)と好結果を残してきた。復活への予感がますます広がる。

「今回のコースは、すごく好きです。それに最近は、だいぶパットもよくなってきました。ショットもよくなってきていて、いい流れでここに入ることができたと思います」

 さらに、宮里藍の練習ラウンドを見たテレビ解説を務める村口史子プロが「チャンスはある」と、彼女の躍進に期待を寄せる。

「今回の日本人選手で最多出場となる、その経験は本当に大きいと思います。そして、宮里藍選手はメンタルが強いので、(ロイヤルバークデールのような)耐えるコースでこそ力を発揮してくれるのではないでしょうか。パッティングが決まれば、上位進出が見えてくると思います」

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