【ゴルフ】日本勢に勝機も。今年の全米女子は「最もフェア」 (3ページ目)

  • 武川玲子●文 text by Takekawa Reiko
  • photo by Getty Images

 一方、日本からの参戦組で注目されるのは、昨季日本ツアーの賞金女王に輝いて、初めて全米女子オープンの舞台を踏む森田理香子。練習ラウンドでは、師匠の岡本綾子プロが付きっきりで指導。コースの攻め方はもちろんのこと、スイングの微調整もこなし、万全の態勢で本番に向かう。

「私にとって、アメリカの試合はすべて同じようにすごいものだと感じている。だから、全米女子オープンと言っても、特別な思い入れはないんです。それでも、今大会はグリーン周りの高低差があって、距離も思った以上にある。すごく難しいですね。スコアメイクのカギは、グリーン周りとグリーン上。アプローチでは、私はパターをメインに使って攻めたいと思います」

 コース設定の難しさに驚きを隠せずにいた森田だが、「これまでとは違う自分を見せられたら」と、世界舞台での奮闘を誓った。

 日本ツアー勢では他に、今季ツアー初勝利を飾った渡邉彩香と、日本メジャーのワールドレディス・サロンパスカップを含め、今季ツアー2勝を挙げている成田美寿々という、日本の将来を担う大型若手プレイヤーに期待が集まる。が、初の海外戦となる渡邉は、大会前から“試練”に直面した。日本からの飛行機が遅れて、乗り継ぎに失敗。危うく大会登録を逃すかもしれない事態に及んだのだ。

 結局、大会登録日の未明、夜中の3時に宿舎にたどりついて、何とか事なきを得た渡邉。2時間ほど仮眠をとって登録を済ませると、精力的に練習ラウンドを消化。疲れた表情を一切見せることなく、初の海外、それもメジャー大会出場に心躍らせていた。

「グリーンの傾斜があるとは聞いていましたけど、『こんなにあるのか!』っていう感じ(笑)。でも、距離は思ったよりもない感じがします。決して、どうにもならない、というコースではないな、と思いました。バーディーチャンスはそんなに多くないだろうけど、パットが入ればいいスコアが出るような気がします」

 ロングヒッターらしく、練習後には頼もしい言葉を残した渡邉。今季の勢いのまま、本番でもいいプレイを見せてくれることを期待したい。

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