【ゴルフ】完全復活、間近。原江里菜が手にした「武器」 (2ページ目)

  • 野崎 晃●文 text by Nozaki Akira
  • 小内慎司●撮影 photo by Kouchi Shinji

 どん底を味わった原だが、2011年シーズン後のQTでやっと復調の兆しを見せた。見事1位で通過してシード権を得た。そうして、2012年、2013年は、優勝には手が届かなかったものの、賞金ランク38位(2012年)、32位(2013年)と、一時の不振からは脱した。

 森守洋コーチの下、スイング改造に着手。その成果がようやく実を結び始めたのだ。そして迎えた今季、いよいよ完全復活しそうな予感である。

 開幕からここまで10試合に出場し、すべて予選突破。そのうちトップ10入りが5回と、上位争いにも再三加わっているのだ。結果、5月20日現在、賞金ランクは5位、メルセデスランキングにいたっては堂々の1位(各試合の順位や出場ラウンド数をポイントに換算し、総合的な活躍度を評価したもの)。6年ぶりのツアー優勝を飾るのも時間の問題と言えそうだ。

 原がここまでの結果を残せている理由を、森コーチはこう語った。

「オフの間に掲げた今季の目標は、『予選落ちしないこと』と『実力の底上げ』のふたつでした。そのために、まずは体をより強くするトレーニングを続けてきた。それによって、インパクトゾーンを長くするスイングができるようになった。つまり、アイアンの"ライン出し"ショットが正確になったことで、ショットのばらつきが少なくなりました。だから、今季は開幕から予選落ちがありません。ようやくシード選手としての力がついてきたと思います」

 確かに、平均ストローク3位、パーセーブ率(パーかそれより良いスコアを獲得する率)2位、リカバリー率(パーオンしないホールでパーかそれより良いスコアを獲得する率)2位と、原のゴルフの安定感が増していることは、こうした数字を見ても明らかだ。

 原自身、その辺は自覚している。

「ショットがよくなって、大きなミスがなくなりました。ハーフショットをする際にも、(狙いどころまでの)ラインがしっかり出せるようになりました」

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