【ゴルフ】日本に順応。イ・ボミ、賞金女王への「本気度」

  • 金明昱●文 text by Kim Myung-Wook
  • 小内慎司●撮影 photo by Kouchi Shinji

 好調な要因はどこにあるのか。イ・ボミが語る。

「ひとつ言えるのは、日本ツアーでプレイするリズムをつかめたことです。日本ツアーに本格参戦を果たした2年前、日本ツアーにどう適応していくかを第一に考えてプレイしました。日本のコースがどんなものか、肌で感じ取り、頭に叩き込んでいきました。それで、徐々に波に乗る感覚というものがつかめました。そうやって、欲を出さずにプレイしていたから、いい結果(賞金ランク2位)が残せたと思っています。とにかく、韓国ツアーに出ないと決めた寂しさもありましたが、あの年に日本ツアーだけに集中して、焦ることなく試合に臨めたことで、日本で戦うパターンというか、リズムが築けた。それが、現在の好調につながっていると思います」

 さらに、イ・ボミはクラブ契約を結ぶ『本間ゴルフ』との相性の良さも、好調を持続できている要因のひとつだと言う。

「オフの間、入念なクラブセッティングをして、自分に合うものをしっかりと作ってもらいました。特にシャフトがすごくフィットしていて、思いどおりの球筋を打てるようになりました。いいクラブを提供してくれて、選手のマーケティングに奔走してくれる『本間ゴルフ』のスタッフとの出会いが、私の調子を支えてくれています」

"郷に入りては郷に従え"と言うが、確かにイ・ボミからは"日本でプレイするのだから、日本に合わせていこう"という姿勢が随所に見られる。所属先も今年から兵庫県のマスターズゴルフ倶楽部となり、拠点を神戸・三ノ宮に構えた。

 いくら韓国から近い日本とはいえ、異国の地である。いざ生活するとなると、さまざまな問題が生じるもの。言葉はもちろん、食事や生活習慣など、文化の違いからさまざまなストレスを感じても不思議はないが、イ・ボミは難なく適応した。

 今では、日本語をほぼマスターし、日本食にも抵抗がなく、好きなものも多いという。最近は、自分で料理を作ることもたまにあるらしい。

「一緒に住んでいる母がいないときには、キムチチャーハンくらいは作りますよ。それ、料理?って、言われてしまうかもしれませんけど(笑)」

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