【ゴルフ】松山英樹23位。「同組のフューリックが怖かった」 (3ページ目)

  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva
  • photo by Getty Images

 決勝ラウンドも、松山のアイアンショットは切れていた。しかし、相変わらずパットが決まらずに出入りの激しいラウンドが続いた。3日目には、5番パー4の第2打(残り137ヤード)を直接沈めてイーグルを奪ったかと思えば、15番パー4では3オン3パットのダブルボギーを叩くなど、1イーグル、5バーディー、3ボギー、1ダブルボギーという大味な展開を見せた。

「(出入りの激しい展開でも)楽しかったです。何にしても、スコアを伸ばせたことがうれしい。ただ、スコアを伸ばしても順位は上がっていない(23位タイから24位タイに後退)。それが、このツアーのレベルの高さだと思う」

 そして最終日、爆発が期待された松山だったが、目がきつく、クセのあるグリーンに完全に泣かされた。最終18番こそチップインバーディーを奪って大観衆を沸かせたが、14番、16番で2m前後のパーパットを外して上位進出はならなかった。

「面白くない、ストレスの溜まるラウンドでした。ドライバーに関してはよくなっているし、アイアンもいい感じで打っているのに、(ボールが)ピンに絡まなかったり、チャンスを決められなかったりした。とにかく、パッティングが入らなかったので苦労した。ラインの読みも違ったし、グリーンのスピードもつかめなかった。それでも(23位タイという成績は)悪くないんじゃないですか。予選を突破して、苦しい中でもこういう順位にいることは大事。これを続けていければ、少しでもアグレッシブにいって、爆発的なスコアが出せたときには、優勝のチャンスも出てくる」

 今季(2013-2014年シーズン)は、すでに米ツアー5戦を消化した松山。初めて回るコースが多い中でも、予選落ちは一度もなく、非常に安定したプレイを見せている。米ツアーの雰囲気にも、まったく飲まれることがない。

「(米ツアー本格参戦して)へぇ~って思ったこと? う~ん......、別にないけど......。みんな、(ミスしたら)ぶちキレるんだなって思った。(最終日に同組でラウンドした)フューリック、怖かったですよね(笑)。一打の重み? まあ、予選落ちか、通過するかという問題がありますからね。予選を通過してからの一打というのも、賞金が変わってくるから大事だと思う。その一打を無駄にすると優勝もないと思うので、(一打を)無駄にしないでやっていきたい」

 次戦、松山が挑むのはアクセンチュアマッチプレイ選手権(2月19日~23日/アリゾナ州)。「みんなから(マッチプレイは)得意でしょ? と聞かれるけど、いまだ勝った試しがない」と言うが、どんな舞台でもすぐ対応し、ポーカーフェイスで戦える松山なら、奇跡を起こしても不思議ではない。

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