「今は勝てなかった」松山英樹が手にした米ツアー優勝の『鍵』

  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko
  • photo by Getty Images

「(1オンした)17番パー4もチャンスがあった。でも、それを生かせないのが、今の実力だと思う。逆に言えば、ああいうチャンスを決めることができないと、優勝争いから抜け出すことはできない。そういう経験ができたことはすごくよかったな、と思います。何度も言いますけど、ショットの内容があまりよくない中で、こうやっていいプレイができたことはすごく自信になります。

 勝てた試合? 『勝てなかった』試合です。『勝てた』じゃないです。勝てなかった、ということが結果として残っただけです。勝てない理由は自分の中でもすごくあるし、それを突き詰めていかないと勝てないな、と思いました。技術的にはもちろん、ショットに関してもそう。アプローチも、パッティングも徐々に悪くなっていって、最後のほうで決め切れなかったのは、自分(の技術)に自信を持てていなかった証拠。そういう部分がすごく(結果に)響いたと思う。

 終盤、優勝へ向けてギアを入れた? ギアとか、そういうのはない。(勝つためには)自分はピンに向かって打っていって、(少ないショットで)ボールをカップに入れるだけだと思っている。それを(優勝争いの中でも)シンプルに考えることができるかどうか。ギアを上げたから、パターが入る、というわけでもないし。(今日も)普通に自分ができることをやっていた結果、今は勝てなかった。それを今度から勝てるようにやっていくのが、これからの練習の課題」

 惜しくも優勝は逃した松山。だが、米ツアー1年目とは思えぬ、堂々たるプレイぶりは、多くのアメリカファンの心をつかんだ。同時に、松山の優勝の瞬間がまもなく訪れることを、彼らも実感したに違いない。

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