【ゴルフ】松山英樹&石川遼。今年は米ツアー初優勝も夢ではない (2ページ目)

  • 三田村昌鳳●文 text by Mitamura Shoho
  • photo by Getty Images

 昨年、メジャー大会のみならず、米ツアーを何戦か消化できたことも、今季の糧となるはずだ。なかでも、世界トップレベルのほとんどの選手と一緒にラウンドできたのは、大きかった。自分に足りないものが明確になっただろうし、何よりどんな相手と回っても、変な緊張感を味わうことがなくなるからだ。

 また、全英オープンでペナルティー(※)を受けたり、米ツアーで同伴競技者から注意(※)を受けたりしたが、そうしたことを経験できたのも大きい。「なぜ、松山だけが......」と思った人もいるだろうが、ともに松山が近い将来結果を出す選手だと認められたからこそ、受けた指摘。もしそうしたペナルティーを、これから訪れるであろう優勝争いをしている状況で受けていたら、それこそ痛恨の思いをしたに違いない。世界には"世界のルール"があるわけで、それを早い段階で知ることができたのは良かった。

※全英オープン3日目、15番を終えた時点で一度警告され、17番の第2打地点でスロープレイによる1罰打を受けた。米ツアーのフライズドットコムオープン初日、グリーン上のマークにボールを戻す際、その位置について、同組のデービス・ラブIII世に注意を受けた。

 課題となるのは、"旅慣れ"できるかどうか。米ツアーでは、日本とは比べ物にならないほどの距離を移動する。そのうえ、試合数が多く、長丁場だ。その中で、どうリフレッシュをして、コンディションを整えられるか。つまり、きちんと体調を整えて、常にベストな状態でトーナメントに参戦できるかどうか。それが、松山が結果を出すためのポイントとなる。

 松山はまた、人一倍闘争心がある。そのため、知らず知らずのうちに無理をして戦って、それが結果として体の故障につながっている。その点をクリアするためにも、欠かせないのは、コンディション作りだ。松山にとって、すべてはそこにかかっている。

 一方の石川も、今年は米ツアー初勝利を飾っても不思議ではない。松山よりもそのチャンスが早く巡ってくるのではないかとさえ思っている。確かに結果だけ見れば、松山のほうが好成績を残している。しかし石川は石川で、松山とは違う登り口から、大きな山(世界の舞台)を一歩一歩確実に登ってきているのだ。

 際立っているのは、アメリカの著名なゴルフ解説陣がこぞって称えていた、ショートゲーム。その技術が増して、格段にうまくなった。その分、勝つチャンスは広がったと考えていいだろう。

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