【ゴルフ】松山英樹、語録で振り返る「怪物のルーキーイヤー」 (2ページ目)

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by スポニチ/Getty Images

 全米オープン(6月13日~16日/ペンシルベニア州)では、最終日に同大会のベストスコアを記録し、10位タイでフィニッシュ。周囲はその快挙に沸いていたが、松山自身は、フィル・ミケルソンら、最終組を戦うトップゴルファーのプレイを恨めしそうに眺めていた。その姿が印象的だった。

「いつかあの輪に加わりたい。最終日のようなゴルフを続けていれば、優勝争いにも加わることができるし、いつか勝てる日が来ると思います」

 続く全英オープン(7月18日~21日/スコットランド)では、さらに躍進して、6位タイ。海外メジャーで、初めて優勝を意識した大会だった。

「最終日最終組でプレイしたいと思った。でも、この結果に満足することなく、もっともっと練習を重ねていかないと優勝はできないと思う。だから、これからさらにがんばっていきたい」

 国内で勝利を重ね、海外メジャーでも好結果を残した。目指すべき目標はあとひとつ、米ツアーのシード権だった。来季(2013-2014年)のシード権を得るには、2013年米ツアーの賞金ランク125位以内、およそ61万ドル(約6100万円)の賞金を獲得する必要があったが(※)、メジャー大会での好成績もあって、わずか7戦の出場であっさりクリアしてしまった。

※米ツアーは、2013年までは1月からシーズンが始まっていたが、来季からは今年10月に新シーズンがスタートし、ひとシーズンが年をまたぐことになった。その2013-2014年シーズンのシード権は、2013年1月~8月までのレギュラーツアーで争われた。

 2013年米ツアーの最終戦であるウィンダム選手権(8月15日~18日/ノースカロライナ州)を15位で終えたとき、松山は珍しく饒舌になっていた。国内でつかんだ勝利という自信を足掛かりに、海外遠征に打ってでて、目論みどおりシード権を手にした。その充実感に満ちていた。

「アメリカで毎週のように大会に出続けている間は、『長いなあ』と思っていましたけど、終わってみれば早かったかな。(シード権獲得という)目標を達成できたことを思えば、自分に100点をつけたいですけど、物足りない部分はある。課題は、疲れない身体作り、ショートゲーム、飛距離......、言い始めれば止まらない(笑)。すべてです。特に肉体的な面の強化と、ショートゲームをもっとうまくなることが重要です。(すでに米ツアー選手という意識はあるか?)ないです。だって、日本人ですもん」

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