【ゴルフ】松山英樹と石川遼。飛躍の1年を予感させた開幕戦 (3ページ目)

  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva
  • photo by Getty Images

――グリーン上のピンポイントの場所を狙って、傾斜を使ってピンに寄せるショットが続いていたが、狙いどおりか?

「安全かつチャンスにつくところを狙っていくと、ああいうふうになると思います。4番アイアンとかではそこまで狙えませんが、9番アイアンくらいまでだったら、狙う努力はします。そういう意味では、自分のやるべきことができた一日でした。6番(パー4でバーディー)の第2打なんかも、フェアウェーバンカーからの4番アイアンでのショット。それはどんな選手でも難しくて、自分でもいいイメージはなかったんですが、(ボールを)当てにいったり、守りに入ったりというスイングではなく、自分のイメージどおりのアグレッシブなスイングができた。8番(パー4)もティーショットが左のラフに入って(ボールの)ライはよくなかったけど、キャディーと一緒に3つくらい打つルートを探して、最後は自分の選んだところに打っていった。それで、パーセーブできるかどうかというところまでいけた。結局、ボギーだったんですが、その辺りは、少しは成長したかな、と思います」

 3日目もショットが冴えた。10番ではセカンドショットをそのままカップに沈めてイーグルを奪った。

「(10番のセカンドは)残り101ヤード。今まではいちばん難しいと思っていた距離。SW(サンドウェッジ)では届かないし、51度(のウェッジ)だと中途半端な距離になる。そこで、55度(のウェッジ)がいい仕事をしてくれました。打った瞬間、満足。結果はどうなろうと、自分のやりたいことができたショットでした。他にも、いいショットが多かった。すごくピュアなショットがたくさん打てたと思います。17番(パー4)を1オン? あれはピンまで280ヤードで、ラッキーなショットでした。賭けに勝ったみたいなショットで、あのショットは僕の中では価値があるとは思っていません」

 7位タイで迎えた最終日。松山との上位争いも期待されたが、石川はパットが決まらなかった。周囲がスコアを伸ばす中、ひとつスコアを落として21位タイに沈んだ。

「4日間の中でいちばんうまくいかなかった日だったと思います。パッティングはずっとタッチが合っていなかった。自分ではいい感じで打っていて、打った瞬間は『入るかな』という感触なんだけど、見てみるとボールは全然違うところに行っていた。『あれ?』っていう感じが多くて、(グリーンが)読めてなかったですね。今週はそういった感じで、自分のコースじゃなかった。でも、そういう中でここまでやれたのは、ショットのおかげ。そこは自信になります。予選を突破してポイントも得ることができたので、新シーズンはいいスタートが切れたと思っています」

 いきなり3位という結果を出して、米ツアー初勝利も間近であることを予感させた松山。きちんとマネジメントしながら、奇跡的なショットを連発していた石川。ふたりとも、開幕戦から素晴らしい結果と内容を見せた。大いなる躍進が期待され、今季の米ツアーが非常に楽しみになった。

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