【ゴルフ】松山英樹と石川遼。飛躍の1年を予感させた開幕戦 (2ページ目)

  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva
  • photo by Getty Images

 そして最終日。5つスコアを伸ばして3位になっても、松山から漏れる言葉は反省の弁が多かった。

「いいスタートを切れたんですが、それを続けられなかった。(最終日には)9アンダーを出せれば、勝てると思っていた。勝てないかもしれないけど、(優勝の)チャンスがすごく高まるだろうと。(4つスコアを伸ばした)7番まではその数字をクリアできそうでいい感じだったんですが、8番から流れが変わってしまった。もちろん、他の試合でも途中から失速したり、勢いが止まったりすることはある。でも、勢いを続けられないと逆転優勝はなかなかできない。そこは、これからの課題のひとつですね」

 そうは言っても、最後は3連続バーディーでフィニッシュし、開幕戦3位という結果には、松山自身、合格点を与えた。

「途中は本当に悪い流れだった。15番(パー5)でもイーグルパットから結局3パットしてパーと嫌な感じだったけど、16番(パ-3)の一打で流れを引き戻せた(ティーショットをピン80cmにピタリ)。4日間通して、ショットに関しては満足できるものだったかなと思いますし、最後はいい形で終わることができてよかったです。とにかくツアーのポイントを稼がないと(来季の)シードは取れないので、初戦をこの位置(3位)で終われたことにはホッとしています」

 一方、21位に終わった石川。決して満足はしていないものの、最終日のラウンド後も晴れやかな表情を見せた。

「ポイントを稼ぐことが大事なので、(最終日も)スタート時点(7位タイ)より上に行きたいと思っていたのですが、それが実現できなくて残念です。結果としては、満足感はゼロですね。でも、自分のゴルフに対しての充実感はすごくある。4日間を通して言えば、(自分は)すごく成長したなって感じがします。今日の内容だけを見てしまうとミスショットが多く、うまくいかないことも多かったんですが、自分(の力)が全体的に底上げされた感がある」

 初日は、"開幕戦"ゆえに硬さがあった。「自分が思っていた以上に緊張していましたね」という。しかしその中で、石川は2アンダー19位タイと好スタートを切った。米ツアー初参戦の前シーズンは予選落ちを重ねたが、2日目もスコアを伸ばして、松山と同じ6アンダー11位タイで決勝ラウンドに駒を進めた。特に狙いどころのはっきりしたショットは光っていた。

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