【ゴルフ】プレジデンツ杯、世界の一流が唸った松山英樹の資質 (2ページ目)

  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva
  • photo by Getty Images

 そして第2戦のフォアサムで、アダム・スコットとのコンビで米国選抜のジェイソン・ダフナー&ザック・ジョンソン組を下した松山は、第3戦のフォワボールで再びアダム・スコットと組んで、米国選抜のタイガー・ウッズ&マット・クーチャー組という最強ペアに挑戦。そこでも、圧巻のプレイを披露した。

 不調のアダム・スコットをカバーして、孤軍奮闘した松山。10番を終わった時点では1アップとリードした。ところが、激しい雨によって中断すると、再開後は一気に米国選抜が流れをつかんだ。15番終了後には2ダウンとリードを許してしまうが、米国選抜が勝てば決着がつく16番パー3。ここで、松山が見せた。上からの5mのバーディーパットを見事に沈めて食い下がったのだ。

 結局、最後は米国選抜の1アップで敗れるも、最強ペアにも動じない松山のプレイぶりは光っていた。タイガー・ウッズも、そんな松山の姿に目を細めた。

「序盤は(世界選抜に)リードを奪われてしまったが、うまく流れを取り戻すことができた。16番で、ヒデキが長いパットを沈めて、最後まで面白いゲームになった」

 その後、4戦目のフォアサム、5戦目のシングルスは早々に力尽きてしまったが、松山という存在は、世界のトッププレイヤーの間で認知され、アメリカの多くのファンにも知れ渡った。

 シングルスで松山と対戦した米国選抜のハンター・メイハンが言う。

「マツヤマのことは何も知らなかったけれども、(米国選抜の)みんながマツヤマは信じられないほどのいいショットを打っていると教えてくれた。それを踏まえて試合に臨んだ。そういう意味でも、マツヤマに勝てた自分のプレイにはとても満足している」

 4試合でペアを組んだチームメイトのアダム・スコットも、松山の堂々たるプレイぶりを称賛した。

「ヒデキは、リョウ(石川遼)とともにアジアのゴルフの将来を担っている。特にヒデキは昨年からすごくいいプレイを続けてきたし、今週も素晴らしい戦いを見せてくれた。きっと、ヒデキは今日(シングルス)の負けでがっかりしているかもしれないけど、彼の未来は明るい。この1週間、非常に頼もしいパートナーだったし、今後かなり強い選手になっていくと思う」

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