【ゴルフ】シード権を手にした石川遼。米ツアーにかける密かな「野望」

  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva
  • photo by Getty Images

「できる限り、上(のランク)に行きたい。(ファイナルズの)ランキングによって、来季の出場試合が2、3試合減るかもしれないし、増えるかもしれない。それは(自分にとって)すごく大事なこと。そういう意味では、(シード権を獲得していても)危機感はある。今大会も、なるべく上位でフィニッシュできるように、気を引き締めていきたい」

 初日、石川は前半でスコアを落としたが、後半で巻き返して31位とまずまずのスタートを切った。2日目にはさらに順位を上げて15位で予選通過を果たすと、決勝ラウンドでもスコアを伸ばして、4日間通算6アンダーの8位タイでフィニッシュした。ただ、ファイナルズの総合ランクは10位から一歩後退して13位となった(同ランキングの3位~50位は、今後もリランキングと言って、ツアーの成績によって数カ月ごとに入れ替えられる)。

「全体的には悪くなかったと思いますが、(最終日は)やや不完全燃焼の部分もあった。(ファイナルズの)総合ランクも落としてしまい、(シーズン最後の試合の)終わり方としては、ちょっと残念。ファイナルズ4試合を振り返ると、限られた時間の中で結果を出せたことで、ホッとした思いがある一方で、こんなところでもがいていてはいけない、という気持ちもある。(総合ランク)13位という結果にしても、満足していちゃいけないだろう、という自分がいる。5位以内に入ることができれば、次のシーズンに向けても自信を持てたと思うので、そこは悔しいですね」

 それでも、予選落ちが続いたシーズン当初と比べたら、石川のゴルフは明らかにレベルアップしている。ショートゲームに磨きがかかり、安定感が増した。プレジデンツカップ(10月3日~6日)の翌週には、早くも新たなシーズンが開幕する(フライズドットコムオープン/10月10日~13日)が、石川自身「調子はいい」というだけに、米ツアー2年目に向けて楽しみは広がる。

「シーズン序盤は(米ツアーに)慣れない面もあったけれども、来季もまたPGAツアーでプレイできるということに、自分自身、安心しています。なんとか1年間を乗り切ったので、また来季、這い上がっていきたいと思う。ゴルフ自体は、2009年に日本で賞金王を獲ったときより、もちろん昨年よりも、ずっと良くなっている。今季は日本になかなかいいニュースを届けられなかったけれども、"来年こそは"と思っています。そうは言っても、今季が終わったという実感はないし、1週間空くだけで、すぐに来季が始まります。でもそれは、僕にとって好材料です。秋は、体の状態も、ゴルフの状態も上向いてくる時期。まずは、年内に出場する試合でがんばって結果を残したい。そこで、来季の目処(シード権内)をある程度立てたいと思っています」

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