【ゴルフ】石川遼、復活宣言。「今の自分なら、世界で戦える」 (2ページ目)

  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva
  • photo by Getty Images

 その言葉どおり、石川はウィンダム選手権で4日間を通してクレバーなプレイを見せた。シード権獲得のために、一発逆転を狙うような無謀なゴルフではなく、今、自分ができることを着実にこなした。初日はイーブンパーの78位と出遅れたが、内容は悪くなかった。

「全体的にはいいプレイをしていたと思うけど、会心のショットがフェアウェーでディポットに入ってしまったり、泥がついたり、ついていなかった。それでも、集中力が切れることなく、スコアも崩れることなく、最後まで安定したプレイができた。いいラウンドだったと思います」

 2日目も、我慢のプレイを続けて、通算1アンダーの62位タイ。ぎりぎりで予選通過を果たした。

「このコースは、ピンを直接狙っていくというよりは、(ピンの)横を狙っていかざるを得ないところが多いので、必然的に曲がるラインが増えていく。そこで、5~6mくらいの距離があると、微妙なタッチが求められて難しい。そういうのが、2、3回入ってくれれば(スコアも)違ったと思う。だけど、パー5ではしっかりとバーディーを取れているので、ロングゲームとショートゲームのバランスはすごくいいと思います」

 雨が降った3日目は、多くの選手がスコアを崩す中、石川はひとつスコアを伸ばして、通算2アンダー。順位は31位タイまで上昇した。

「(インスタートの10番で)出だしでダブルボギーを叩いて、自分に対して悔しさがあった。でも、その悔しさを、そのまま集中力に移行することができて、そのあと盛り返すことができた」

 そして最終日、「ドライバーも、アイアンも、パターも心地よい感じで打てている」という石川は、4連続バーディーを奪うなどして、トータル5アンダーまでスコアを伸ばした。26位タイと順位も上げて、今大会のテーマにしていた、入れ替え戦に向けての手応えをしっかりとつかんだ。

「いろいろと調整したいことはまだまだたくさんありますが、(入れ替え戦に向けての)手応えは、自分の中ですごくつかめた。もちろん、そのレベルが高いことは、僕もよくわかっていますが、今の自分はすごくいい状態にある。振り返れば、シーズンの序盤から中盤戦の頃は、目を覆いたくなるような酷い結果が続いて、(自分は)米ツアーで戦うレベルに達していなかった。本当に実力不足でした。でも万が一、これからシーズンの初戦が始まるとして、今の自分のレベルであれば、『シードは取れるだろうな』と感じている。上のツアーでも戦える自信があるので、なんとしても、来年の出場権を手にしたい」

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