【ゴルフ】今年の全英リコー女子オープンが、
宮里藍にとって「特別」なワケ

  • テレビ朝日 全英リコー女子オープン取材班●構成 text by tv asahi RICOH Women's British Open crew
  • photo by Getty Images

"神様"が与えた過酷すぎるほどの試練は、同時に、宮里藍の新たなゴルフ人生の始まりでもあったのだ。ピア・ニールソンとリン・マリオットの指導を受け、家族や多くの人々に支えられながら、宮里藍は苦難のときを乗り越えていった。決して短い時間ではなかったが、彼女はその苦しい時間を耐え抜いた。

 そして、全英女子オープンの悪夢から2年後の2009年、ついに米女子ツアー初優勝を飾った。それからは、毎年コンスタントに結果を残して、世界が認めるトップゴルファーへと登りつめていった。

「スランプがありながらも、自らチャンスをつかんで、今の自分があると思っています。そして、(2007年全英女子オープンから)6年の間に、米ツアーで9勝することができた。それも、自分の中では自信になっています」

 宮里藍というプロゴルファーの転機となったのは、まさしく6年前、セントアンドリュースで行なわれた全英女子オープンだった。それだけに、再び同舞台で開催されることになった今大会にかける、宮里藍の思い入れは強い。

「今回は、特に感謝の気持ちを持ってプレイしたい。あらゆる状況に対応して、(ゴルフができることの)充実感を楽しみたいと思っています」

 さらに宮里藍は、この大会を前にして、異例の試みを実行していた。実はシーズン中にもかかわらず、1カ月間試合に出場せずに、その間をオフにあてていたのだ。

「新しいチャレンジなんですけど、自分の中では体力的にも余裕があって、すごく気持ちが充実している。だから、本当にいい休みだったと思っています」

 心も体もリフレッシュし、ゴルファーとしても充実期にある宮里藍が、6年のときを経て戻ってきた「ゴルフ発祥の地」。かつて、過酷な試練を与えた"ゴルフの神様"は、その苦悩を乗り越えた彼女に、今度は何をもたらすのか。それが、輝かしい栄光であっても不思議はないし、そんな奇跡の瞬間が訪れることを我々は期待したい。

 また、宮里藍とともに、今大会にはアメリカを主戦場とする宮里美香、有村智恵、上原彩子、上田桃子、そして今季日本ツアーの賞金ランキング上位者である、森田理香子、佐伯三貴、横峯さくら、比嘉真美子と、過去最多タイとなる9人の日本人選手が出場する。今年の海外メジャーすべてを制している韓国のパク・インビを抑えて、悲願のメジャー制覇を果たす選手は出てくるのか。まもなく、歴史ある舞台での、熱き戦いがはじまる――。

第37回 全英リコー女子オープンゴルフ

テレビ朝日系列 地上波独占放送
【第1日】 8月1日(木)深夜3時~
【第2日】 8月2日(金)深夜3時05分~
【第3日】 8月3日(土)よる11時12分~(一部地域を除く)
【最終日】 8月4日(日)よる11時10分~(一部地域を除く)
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