【ゴルフ】松山英樹は青木功、石川遼はジャンボ尾崎である (2ページ目)

  • 三田村昌鳳●文 text by Mitamura Shoho
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 青木功は、松山とこれまでの日本人選手との違いをこう語る。
「英樹は、やっぱりただ者じゃないよ。ゴルフをよく知っている。風やフェアウエーの固さ、芝の違い......、そういうものに対して、どう打てばいいのか、どう対処すればいいのか、ほんとによくわかっている」

 実際、これまで日本人選手たちが苦労し、打ちのめされ、攻めあぐんできたマスターズ、全米オープン、全英オープンを、松山は、あれよ、という間に攻略。難なく予選ラウンドを突破し、決勝ラウンドでも素晴らしいプレイを見せてきた。

 さらに驚くべきは、松山はどんな試合であっても、誰と一緒に回っても、どんなポジション(順位)にいても、物怖じしないことだ。全英オープンでも、フィル・ミケルソン、ローリー・マキロイと同組で堂々とラウンド。決勝ラウンドで上位争いに加わっても、そのプレイは安定していた。小さくならずに、常に松山英樹のアイデンティティーとオーラをしっかりと発していた。

 そして、最後まで諦めない。全英オープンの最終日には、「17、18番とバーディーをとれば、(プレーオフに残れて勝てる)チャンスがある」と、踏み込んだアクセルを緩めなかった。

 ひょっとすると、世界の舞台での優勝も近いかも......。まさしく松山は、それだけの期待感、ワクワク感を抱かせてくれる選手だ。

 そんな松山英樹と対照的に、伸び悩んでいるのが、同い年の石川遼である。

「遼は、どうしちゃったんだろう」という質問をよくされるが、彼が成長していることは間違いない。

 結果や順位などの数字には表れていないけれども、彼のスイングはかなり良くなっている。あまり重視していなかったゲームマネージメントの幅や奥行きも出てきていると思う。ラウンド後のインタビューでも、なぜこの球筋と狙いを選んだのかという、ディテールまで説明するようになっている。

 だが、松山と違って、結果が出ない。なぜか......。

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