【ゴルフ】松山英樹は青木功、石川遼はジャンボ尾崎である

  • 三田村昌鳳●文 text by Mitamura Shoho
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 海外メジャー第3弾の全英オープンに出場した松山英樹。初挑戦で6位タイという結果を残し、世界への扉が大きく開いた。

 これで、世界ランキングは34位まで上がり、米ツアー(PGAツアー)の賞金ランキングも195位前後から一気に135位前後に浮上した。そして、松山はこれから、カナディアンオープン(7月25日~28日/カナダ)を皮切りに、WGCブリヂストンインビテーショナル(8月1日~4日/アメリカ・オハイオ州)、今季最終メジャーの全米プロ選手権(8月8日~11日/アメリカ・ニューヨーク州)などに参戦予定。この調子ならば、来季の米ツアーのシード権獲得(賞金ランキング125位以内)も秒読みである。

今年6月のツアー選手権では同組でラウンドした石川遼(左)と松山英樹(右)。今年6月のツアー選手権では同組でラウンドした石川遼(左)と松山英樹(右)。
 今季、21歳でプロに転向したばかりだが、まさに怒涛の快進撃だ。日本ツアーでは、8戦してすでに2勝(2位2回、ベスト10以内が3回)。海外メジャーでも全米オープン(10位タイ)と今回の全英オープン(6位タイ)で好成績をあげて、獲得賞金は1億円を突破した。海外メジャーの賞金も加算される日本国内の賞金争いでは、史上最速記録(10試合)である(過去の記録は、2008年に石川遼が23試合で1億円突破)。

 しかし、松山の目標は、来季の米ツアーシード権の獲得でもなければ、日本の賞金王でもない。まして、世界ランキングの30位台に入ったことで、来年の4大メジャー出場権獲得に前進し、ホッとしているわけでもない。

 松山はあくまでも勝利を求めている。目の前の試合に勝つこと、世界で、メジャーで、まず1勝することこそが彼の目標なのだ。全米、全英オープン、それぞれの大会後も、「確かにトップ10に入れたわけですけど、(勝てなかった)悔しさのほうが大きいです」と答えたという。松山の"凄さ"は、そこにある。

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