【ゴルフ】全英オープン、松山英樹に見た「メジャー制覇」の現実味 (2ページ目)

  • テレビ朝日 全英オープン取材班●構成 text by tv asahi The open crew
  • photo by Getty Images

 だが、そこからズルズルと後退しないのが、"怪物"たるゆえん。直後の16番で、グリーン横のリーダーボードを見ると、トップが3アンダーと、スコアがあまり伸びていないことに気づく。「ここで我慢していれば、自分にもチャンスはある」と、冷静に気持ちを切り替えることができたという。

 そして迎えた17番パー5、バンカー越えの難しい第3打を、絶妙なロブショットでピン横2.5mに寄せると、難しいスライスラインも読み切ってバーディーを奪った。そのまま18番でもきっちりパーを拾って、トータル2オーバー。優勝も狙える、首位と5打差をキープして決勝ラウンドへと向かう。

 羽川プロは、松山のゴルフに大きな期待を寄せている。
「世界に通用するゴルフをしている。パット自体も悪いとは思わない。イージーミスを減らし、3日目にイーブンに戻せれば、優勝争いができる」

 青木プロは、頼もしい若者の活躍に興奮しながらも、自らの気持ちを落ち着かせるように、松山にエールを送った。
「(松山は)首位と5打差しかないんだから。本人が『楽しみ』と言っているのがすべてだよ。明日からの36ホール、しっかり見てあげよう」

 そうした期待を背にしても、松山に気負いはない。ホールアウト後のインタビューでも、落ち着いて、はっきりとこう口にした。

「(首位とは)まだ5打差だから、少しでもその差を縮めたい。パットが入れば上位を狙える」

 大会前に「夢ではなくなった」と感じた日本人初のメジャー制覇。これは、やはり間違いではなかったようだ。

"怪物ルーキー"松山英樹は、世界の舞台でも何ら変わりなく、真っ直ぐに勝利だけを目指している。今から11年前の2002年に、同じミュアフィールドで丸山茂樹があと一歩で手の届かなかった「夢」へ。これから始まる決勝ラウンドで、我々の緊張と興奮はどこまで高まるのか。歴史が動く瞬間から目が離せない――。

第142回全英オープンゴルフ
テレビ朝日系列地上波独占放送
【第3日】 7月20日(土)よる11時12分~(一部地域を除く)
【最終日】 7月21日(日)深夜0時05分~
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