【ゴルフ】全英オープン、青木功も世界も認めた松山英樹の「本気度」 (2ページ目)

  • テレビ朝日 全英オープン取材班●構成 text by tv asahi The open crew
  • photo by Getty Images

「ここまで十分な成績を残しているけど、松山はまったく満足していない。ゴルフには『完璧はない』ということがわかっている。だから、アプローチやバンカーの練習を何度も繰り返して、どんどんバリエーションを増やしている。なんか、自分の子供のころによく似ているんだよね」

 急速に進化している松山。それゆえ、プロデビュー初年度で早々にツアー優勝を飾り、海外メジャーでも全米オープン初出場でトップ10入りを果たした。しかし、青木プロも話すとおり、松山はそうした快挙の数々にまったく満足していない。

「そりゃ、(全米オープンも)『優勝だ!』って言われたら、本当にうれしいですけど、10位ですからね。今まで、いろんな先輩方がトップ10以内に入っているのに、自分の10位という結果が騒がれても『なんでだろう』という違和感があります」

 その言葉に、慢心や驕(おご)りはない。松山の考えは、どこまでもシンプルだ。

「勝てなかったときは、『なんで勝てなかったんだろう』という疑問が常に出てきます」と、公言し続けている「海外メジャー制覇」をつかみ取るためには、今、何をすべきなのか。ただそれだけを本気で考えて、前に進んでいるのだ。

「やっぱり、メジャーを獲りたいです。どれでもいいですというより、欲を言えば、全部勝ちたいです。今まで日本人が勝てなかったのは、それを意識し過ぎているのかな、と思います。日本人だから勝てないとか、そういう思い込みが強いんじゃないかと」

 そう語る松山からは、少しの淀(よど)みも感じない。何の疑いもなく勝利を信じ、真っ直ぐに前を見つめていた。

 これからの日本ゴルフ界を背負っていく松山への期待は膨らむばかりである。今大会でもかなりの活躍が見込まれ、青木プロもその可能性を示唆する。

「オレに『63』が出せたんだから、(そうしたスコアを出すことは)日本人の誰だって、松山にだってできることだよ。とにかく(松山には)『オレがいちばんうまいんだ』という自信を持ってプレイしてほしいね。練習でも、この大自然と友だちになろうとしているから、楽しみだよ」

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