【ゴルフ】過酷過ぎる全米オープン。
耐えた松山英樹に与えられたチャンス

  • テレビ朝日 全米オープン取材班●構成 text by tv asahi US open crew
  • photo by Getty Images

 初日の7ホールすべてをパーで終え、初めての挑戦となる「世界一難しい」全米オープンのセッティングを見事に攻略して見せた松山。ラウンド後、本人も充実した表情を見せ、さらなる躍進を期待させた。

「イーブンパーで終えたのは大きい。(前日の練習と比べて)ショットも良くないし、パットも今ひとつでした。それでも、フェアウェーをキープして、ピンチもしっかりセーブできた。パットとショットの調子をともに上げていければ、いいところにいけるのかな」

 迎えた2日目は、第1ラウンドの残り11ホールと第2ラウンド18ホールの、合計29ホールを消化する過酷な一日。第1ラウンドの再開ホールとなった18番では、いきなりピンチに直面した。

 ティーショットを右のラフに入れると、2打目でフェアウェーに戻すものの、3打目がグリーン右のバンカーにつかまった。バンカーからの4打目も寄せ切れず、2パットのダブルボギーとした。

 最悪のスタートを切りながら、テレビ解説の丸山茂樹プロが「図太い」と評する松山が動じることはなかった。第1ラウンド後半の6番では、3打目を直接カップにねじ込んで、全米オープンで初めてのバーディー奪取。さらに8番でもバーディーを奪って、第1ラウンドはトータル1オーバーと、首位に4打差の16位タイという好位置で終えた。

 それから、わずか30分後にスタートした第2ラウンドでも、2~3mのパーパットをことごとく沈め、我慢のゴルフを続けた。結局、後半に崩れて5つスコアを落としてしまうが、トータル6オーバーの暫定43位タイ。予選通過をほほ確実なものとして、ハードな一日を終えた。

「(第2ラウンドの後半は)集中力を欠いていた。ちょっとミスをすると、続けてミスをしてしまう。悪い流れでいって、(気持ちの)切り替えもうまくいかなかった」と、松山は反省の弁を述べたが、丸山プロは全米オープン初挑戦の戦いぶりを高く評価した。

「良く粘って、がんばっている。攻めるところと守るところを見極められる、マネジメント能力が非常に高い。また、4日間ラウンドして勉強できることが、今後の松山選手にとって本当に大きいと思う。難しいコースに苦しんで、課題を見つけてほしい」

 決勝ラウンドではどんなプレイを見せてくれるのか。松山の一挙一動から目が離せない。

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