【ゴルフ】全米オープン、
松山英樹がつかんだ最難関コース攻略の手応え

  • テレビ朝日 全米オープン取材班●構成 text by tv asahi US open crew
  • photo by Getty Images

 今シーズン、プロ転向2戦目で優勝を手にすると、5戦目で早くも2勝目を挙げた。賞金ランキングは堂々のトップ。強い決意で挑んだ全米オープン最終予選会でも、2位に4打差をつけるトップ通過で出場権を手にした。アマチュア時代から海外メジャーでの優勝を公言してきた松山が、プロとして初めて挑むメジャー大会でどんな戦いを見せてくれるのか、日本中のゴルフファンが注目している。

 現地時間6月9日に初めて練習ラウンドを行なった"怪物ルーキー"の第1声は、「このコース、やばくないですか?」だった。本人の言葉通り、ドライバーを握った9ホールでは1度もフェアウェーをキープすることができなかった。さらに、「日本ではラフに入れてもパワーで何とかなるけど、ここはそれがまったく通用しない」と、初めて体感した"世界一難しい"全米オープンのセッティングに悲鳴をあげた。

 それでも2回目の練習ラウンドでは、ドライバーを握った7ホール中5回フェアウェーをキープする高い対応力を見せた。前半のポイントとなりそうな5番ホール、504ヤードと距離が長い超難関のパー4では、本人が「あれは完璧でした」と振り返ったように、2打目をピン横1mにつけるスーパーショットを放って見せた。

 初めての練習ラウンドではかなり苦しめられたラフにも、いろいろな状況を想定して柔軟に対処。ロブショットやピッチエンドランを駆使して、入念なアプローチ練習を行なった。

 練習後、「今日みたいなゴルフができれば、戦えると思う」と語った松山。その表情からは、本番に向けての確かな手応えがうかがえた。

 最初の練習でいきなり叩きのめされたコースに対して、決して臆することなく、冷静かつ柔軟に対応した松山は、まさに"怪物"。今回、初めて海外メジャーのテレビ解説を務める丸山茂樹プロも、ルーキーらしからぬその姿に目を細め、特に松山のメンタル面の強さを高く評価する。

「多くの期待を背負って、(プロデビューの)出だしからここまでの成績(5戦2勝、2位2回)を残すというのは、相当(神経は)図太いですよ。普段はかわいらしい感じの21歳だなって感じがするけど、試合になったらいい意味で、その図太さが表に出てくる」

 松山英樹というゴルファーは、見ている者に「何かやってくれるのではないか」という期待感を抱かせ、実際にその期待に応えてみせてくれる。ゆえに今回も、日本人初のメジャー制覇という期待感は膨らむばかりだ。世界の猛者を相手にどんな戦いを見せてくれるのか、楽しみで仕方がない。

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