【ゴルフ】全米オープン、
ジャンボと中嶋常幸が認める「松山英樹に勝機あり」

  • 三田村昌鳳●文 text by Mitamura Shoho
  • 小内慎司●撮影 photo by Kouchi Shinji

「やっぱり、天性のセンスの良さがある」と、ジャンボ尾崎を唸らせたのは、松山英樹である。

「(スイング)アークが大きい。最近の選手は(フォローからフィニッシュにかけて)左手の動きが小さいけれども、あの子は大きい。あれだけのパワーを持っている人間は、"舵を取る"左手がしっかりしていないといけない。あの子は、その辺がしっかりしている。オレにも、ああいうときがあったのかなぁ(笑)」

 5月30日のダイヤモンドカップ初日、ジャンボは同組でラウンドした松山を羨望の眼差しで見つめ、まさにべた褒めした。
プロ転向後、早くもツアー2勝を飾った松山英樹。初めて挑戦する全米オープンでの活躍が期待される。プロ転向後、早くもツアー2勝を飾った松山英樹。初めて挑戦する全米オープンでの活躍が期待される。
 ジャンボは全盛期だった頃、つまり1980年代後半から1990年代中盤までの間に、優勝を積み重ねて、世界にも類を見ないプロ通算113勝(6月12日現在)という金字塔を打ち立てた。しかしながら、ジャンボはその偉業について、こんなことを漏らしている。

「(惜しいのは)40歳を過ぎて(1987年以降)の勝ち星(63勝)が、それ以前よりも多いんだ。もっと(全盛期のときが)若ければなぁ......」

 その言葉が意味するのは、最も結果を出していたときには、すでに体力、バネ、持久力など、年齢的な衰えを感じていたということである。

 翻(ひるがえ)って、松山は今春、プロに転向したばかりの21歳。体力的にはまだまだ伸び盛りの中、ツアー参戦5試合で、優勝2回、2位2回、10位1回と、過去に例がないほどの輝かしい実績でプロとしての第一歩を刻んだ。ジャンボが羨(うらや)むのも無理はなく、「全盛期が若ければ......」というジャンボの言葉を借りるならば、とてつもなく大きな夢を抱かせてくれる選手であることは間違いない。

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