【女子ゴルフ】今季ツアーの主役は、森田理香子ら「第2世代」 (2ページ目)

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 開幕戦、森田はとにかく落ち着いていた。最終18番(パー5)でサードショットがバンカーから脱出できなくても、冷静に対処して4打目のバンカーショットをきちんとピンに寄せてパーを拾った。本人は「頭の中が真っ白だった」というが、外から見る限りでは動揺している気配はまったく感じられなかった。ちょっとした気持ちの変化が表情に出ることの多かった、昨年までの彼女とは明らかに違った。

 永久シード保持者でテレビ解説などでもお馴染みの森口祐子プロも、森田の違いを感じたという。
「開幕戦では、久しぶりに選手たちと顔を合わせるので、みんなといろいろな挨拶を交わすのですが、その中で印象に残っているのが、森田選手でした。表情が引き締まっていて、その時点で『今季は、やるな』という雰囲気が漂っていました。試合でも、その表情、動き、プレイぶりから、ある種のオーラが感じられて、ひと回りも、ふた回りもたくましくなっていました。最後の18番、プレーオフの際には、堂々と受けて立つような表情をしていて、『小さなことは気にしないわ』といった、大様(おおよう)さみたいなものがありました。これまでの彼女は、急に自分に自信がなくなってしまったかのような弱気な面を見せて、勝てる試合を落としてしまうことがあったんですが、そういう一面は完全に取り払われていましたね」

 もともと森田の才能は高く評価されていた。飛距離に関しては、日本女子ツアー随一。昨季はツアー最多となる年間11イーグルを記録するなど、そのスケールの大きなゴルフは、日本人選手の中でも群を抜いていた。それが、精神的な弱さからか、結果につながっていなかったが、その課題を克服した今、女王の座さえも期待できるかもしれない。

 森口氏が語る。
「賞金女王? 十分に狙える選手だと思います。今季の森田選手には、何かしらの"覚悟"というものが宿ったような気がしますしね。特に彼女を高く評価したいのは、2戦目も最終日に追い上げて3位になって、3戦目も2位と結果を残したこと。隙がなくて、ちょっと他(の選手)とは違うゴルフを見せているな、という感じがします」

 そんな森田に続くのが、ダイキンで森田と争った木戸。昨年、ツアー初優勝を飾ると、そのモデル並みのスタイルも相まって、一斉に世間の注目を集めた。今、最も"旬"な女子プロのひとりで、オフにはアメリカでレッスンを受けてさらなるレベルアップを図ってきた。

「森田選手に比べると、やや経験が足りないかもしれませんが、十分に上位を争える力はあります。意識が高い選手で、常に前向きな姿勢に好感が持てます。それに、彼女のキビキビとした動きがいいですよね。ショットの合間とか、カップからボールを拾った後の第一歩とか、とても躍動感あふれていて、人を惹きつけるモノがある。見ていて、ワクワクする選手のひとりです」(森口氏)

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