【男子ゴルフ】初の予選突破で明かした、石川遼が目標とする「姿」

  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva
  • photo by AFLO

 初の予選突破も、反省の弁を繰り返した石川。だが、前週のAT&Tペブルビーチナショナルプロアマには出場しないで、練習を重ねてきた効果は少なからずあった。今季の開幕前に改造したスイングの安定感は増して、石川自身もかなりの手応えを得ていた。

「休みの間は、練習を繰り返してきました。どこかを重点的に、ということではなく、全体的にバランスよくこなした。仕上がりとしては上々で、自分としてはすごくいい状態にあると思います。(初日は)ミスショットがほとんどなかった。自分でもびっくりしていますけど、ドライバーの飛距離も出るようになった。クラブが変わって、慣れるまでに多少時間が必要でしたが、今では(自分の感覚と)だいぶかみ合ってきました。今週は少しティーを高くして、打ち出しの角度を1、2度高くしていますが、スピンの少ないドライバーの特徴をうまく生かせていると思います」

 2日目に泣いたパッティングも、その日の夜には即改善した。腰に負担のかからないスイングを習得しつつあり、トーナメントを一週休んで体調改善を図れたのも大きいのだろう。

「(パットの)ストロークはこれまで悪くないと思ってやっていましたが、2日目が終わってからは、自分の一番納得のいくフィーリングで、改めてスムーズなストロークができるか調整してみました。それで、このストロークができれば問題ないというストロークに修正して、(3日目のラウンドでは)すぐに内容と結果が同時に出た。時間的には40、50分の練習だと思いますが、ここ半年は体調の問題でパッティング練習が5分以上できなかった。それからすると、すごく長い時間練習ができるようになって、パッティングはこれからさらに良くなっていくと思います」

 自身が納得できる結果は残せなかったものの、コンディションは万全に近い状態にある石川。出場資格を得られなかった次週のアクセンチュアマッチプレー選手権(2月20日~24日)の間には、より一層の練習量をこなして、今後の巻き返しを狙う。

「(次週は)ようやく練習ができる体ができてきたので、たくさん打ち込みたい。それができるのが、すごく楽しみ。そして、ツアーでは常に勝ちを目指してプレイしていきたい。ここには、予選を通ればいいと思ってゴルフをやっている人はいない。うまくはまったときには自分が勝つとみんなが思っていて、誰もが優勝を狙っている世界。自分もそういう選手のひとりだと思っています。シード権獲得も大切ですが、自分が目標とするのは、常に(年間)100位くらいで、10年間シード選手で居続けることではないんです。米ツアーで勝つ、メジャーで勝つ、そういう選手になりたい」

 米ツアーであっても、石川のスタンスは変わらない。常に結果を求め、小さくまとまることをよしとはしない。だからこそ、多くのファンが彼に期待する。そして、彼がその期待に応える日は、突然やってくるかもしれない。

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