【男子ゴルフ】米ツアー3戦連続予選落ちも、石川遼のブレない心 (2ページ目)

  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva
  • photo by AP/AFLO

 石川自身は、初日の出遅れにも前向きだった。これまでの2戦に比べて、スイングで悩むことが少なかったからだろう。それでも、世界のトッププレイヤーが集うアメリカで結果を出すのは容易なことではない。ちょっとしたミスが命取りになる。スイング、そしてリズムにしても、万全な状態でなければ、戦えない。結局、「いい状態になりつつある」というレベルの石川では、2日目もスコアは伸ばせず、通算3オーバー、121位タイであえなく予選落ちした。

「内容は良くなっているけれども、スコアにつながらなかった。出だしの3ホールは、ショットも完璧だった。あそこで、ひとつでもバーディーが取れていれば......。結果を残せなかったのは、本当に残念です」

 そう振り返った石川。結果については悔しさを露(あらわ)にしたものの、内容的には何ら悲観していなかった。3週連続予選落ちにしても、自分の中で気持ちの整理はできていた。

「(周囲に)どう思われているかわかりませんが、自分自身、内容的には取り返しのつかない内容だったとは思っていません。いつか結果が出ると思って、今自分がすべきことをやるだけです。だいたい(米ツアーが)簡単に予選を通過できる舞台だと思っていない。高いレベルだというのは重々わかっているので、そこで勝つために、やるべきことを淡々と続けていきます。それしか自分にはできない。もちろん、結果を出すためにがんばるんですけど、こうやれば結果が出るというのは、誰にもわからないこと。優勝したいと思って、優勝できるわけではないですから。とにかく、自分が上達すること、うまくなることを考えてやっていくだけです」

 石川は、次週のAT&Tペブルビーチナショナルプロアマは欠場。その間、「すべてのカテゴリーでバランスよく練習していきたい」という。

「ショットを打っていて、すごく楽しくなってきている。パッティングに関しても悪い方向に偏っていることはない。そうは言っても、練習をしないカテゴリーがあると、そこの部分だけ鈍ってしまう。バンカーショットもロブショットも、そしてあらゆるアプローチも練習していかないといけない。そうやって、優勝できるように日々時間を惜しんで練習を繰り返していけば、間違った方向にはいかないと思っています。 時間がかかったとしても、努力し続けることを止めなければ、大丈夫だと思う」

 石川の次戦は、2009年に米ツアーのデビュー戦を飾った舞台で、5度目の出場となるノーザントラストオープン(2月14日~17日)。最も馴染みのあるコースでの奮闘を期待したい。

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