【男子ゴルフ】国内最終戦を終えて加速する石川遼の「米ツアーへの意識」

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • 小内慎司●撮影 photo by Kouchi Shinji

国内最終戦の日本シリーズJTカップでは6位タイに終わった石川遼。国内最終戦の日本シリーズJTカップでは6位タイに終わった石川遼。 2012年シーズンの国内最終戦だというのに、また来季からアメリカPGAツアーへの本格参戦を決めているというのに、石川遼は「節目」とか「集大成」といった言葉を、ひと言も発しなかった。

「今年の日本ツアーがこれで終わるという寂しさはあるけど、まだあと2試合(タイ選手権とロイヤルトロフィー)残っているので、自分の中に区切りという考えはなかった。それでも、米ツアーに向けて、手応えと課題は見つかった」

 日本シリーズJTカップ最終日、首位・藤田寛之と6打差の2位タイでスタートした石川は、13番、15番でチップインバーディーを決めて見せ場は作ったものの、この日はトータル70のパープレイ。結局スコアを伸ばせず、今季の国内最終戦を6位タイで終えた。

「スコアにはつながらなかったけど、ドライバーは飛んでいたし、大きなトラブルもなく、内容は良かった。アメリカで戦ううえで、ドライバーで距離を稼いで、しかもフェアウェーをキープするというのは、みんな当たり前のようにやっていること。その点に関しては手応えがあったし、プロ5年間の練習がようやく生きてきた」

 プロに転向して以来、ずっと最優先の課題に掲げてきたドライバーに自信を得たという反面、課題にはこれまで継続的には取り組んではこなかったショートアイアンの精度をあげた。

「アメリカでは、メジャー大会こそグリーンは固いけれども、それ以外のコースでは、スコールの影響などもあって、意外に日本より柔らかいグリーンが多い。それを攻略するには、ショートアイアンでスピンをコントロールして、なおかつ距離も1ヤード刻みでコントロールしなければいけない。今後、本格的に取り組んでいくべきカテゴリーの技術だと思います。これまでは"なんちゃって"という感じで、ごまかしながらやってきていましたから」

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