【女子ゴルフ】全英女子だからこそ、W宮里にメジャー制覇のチャンスあり (2ページ目)

  • 武川玲子●文 text by Takekawa Reiko
  • photo by Getty Images

 今季、「メジャーチャンピオンになる」と自ら目標を掲げた宮里藍は、ここまでシーズン2勝とまずまずの成績を収めているものの、メジャー大会ではクラフト・ナビスコが56位、全米女子プロ選手権6位、全米女子オープン28位と、優勝争いに絡むまでには至っていない。

 そのうえ、目標達成のためには今大会が最後のチャンスとなるが、彼女は8月、2度の予選落ちを喫するなど、完全に精彩を欠いていた。要因はショットの不調だった。「フェードを打つ練習をしていたら、(スイングの)タイミングが合わなくなってしまった」と言う。

 それでも、キャディーのミックとも話し合って、いったんフェードを打つことは封印。スイングのタイミングを取り戻すことに専念し、ようやく前週のキングズミル選手権(7位タイ)で復調の兆しを見せ始めた。そして、最後の大一番に向けて、プレイに対する自信も回復してきたようだ。
「ショットの仕上がりはまだ80%くらい。でも、100%でなくても、今は十分に戦えると思っています。パットも好調だし、良い形で(全英女子を)迎えられると思う」

 一方、8月のセーフウェイクラシックで米ツアー初優勝を飾った宮里美香はその調子を持続。特にショットは絶好調だ。フェアウェーキープ率は86%を超えて、現在ツアー第1位を誇る。

 全英女子を2週後に控えたオフウィークでも、自宅のあるフロリダ州でコーチとともに練習を重ねた。とりわけ、強い風の中でも有効なパンチショットを徹底的にこなして、小技に磨きをかけてきた。

「米ツアーで1勝して、次の目標はもちろんメジャー制覇です。勝ち続けることが大事だし、今はもう、その段階に来ていると思う」
 今季最後のメジャーでの躍進を誓って、宮里美香は堂々と胸を張る。

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