【ゴルフ】韓国代表監督が指導する理想的なスイングを生み出すアドレス (3ページ目)

  • 慎 武宏●取材・構成 text by Shin Mukoeng
  • 小内慎司●撮影 photo by Kouchi Shinji

写真⑦/両ヒザは軽く曲げる。写真⑦/両ヒザは軽く曲げる。 下半身は、上体をリラックスさせながら、両ヒザを軽く曲げて安定感を確保します(写真⑦)。このとき、ヒザを曲げすぎてしまったり、前かがみになりすぎてしまったりしてはいけません。

 そのためにも、意識すべきは、重心です。

写真⑧/重心は両足の親指の付け根あたりにかけるイメージ(写真中央)。かかと重心(写真左)や、つま先重心(写真右)になると、スイングバランスが崩れる。写真⑧/重心は両足の親指の付け根あたりにかけるイメージ(写真中央)。かかと重心(写真左)や、つま先重心(写真右)になると、スイングバランスが崩れる。 前回説明したボールとの距離にもかかわってくるのですが、まず体重がかかとにかかりすぎると、棒立ちになって腰も引けてしまいます(写真⑧の左)。当然、下半身は不安定になるので、スイングアークをしっかりと描くことができなくなり、スライスやフックボールを誘発します。

 逆に、つま先に重心をかけすぎてもいけません。極端な前かがみ姿勢になって、余計に下半身の不安定さが増してしまうからです(写真⑧の右)。ボールを打つ際、ダフリやトップを招く原因となります。

 安定感をはかるには、両足の親指付け根あたりに体重を乗せて、母指球(親指付け根の膨らんだ部分)に重心を感じるくらいがいいでしょう(写真⑧中央)。

写真⑨/重心は左右均等が理想(写真中央)。左足に偏りすぎても(写真左)、右足に偏りすぎてもいけない(写真右)。写真⑨/重心は左右均等が理想(写真中央)。左足に偏りすぎても(写真左)、右足に偏りすぎてもいけない(写真右)。 また、前後だけでなく、重心は左右均等なのが理想です。どちらかに重心が偏りすぎてしまうと、スムーズなスイングが実現できないのはもちろんのこと、ボールを正確にとらえることもできません(写真⑨)。

 正しいアドレスを作るには、ボールとの距離、上体のバランス、リラックスさせた両腕、そして重心など、ひとつひとつ細かいことを常に意識しておく必要があります。それほど、アドレスというのは重要な要素なのです。まさに、理想的なスイングを実現させるための原点と言っても過言ではありません。
(つづく)

  
ハン・ヨンヒ(韓然熙)

1960年2月1日生まれ。1980年5月からゴルフをはじめ、1988年5月にKPGA(韓国プロゴルフ協会)プロテストに合格。同年からツアー生活を送るも、腰のケガなどもあって1995年、ツアー生活に終止符を打ち、指導者に転身。済州(チェジュ)観光大学、済州高等学校、ピボン中学・高校のゴルフ部監督を歴任し、2003年から2011年までKGAの国家代表総監督を務める。その間、KLPGA(韓国女子ゴルフ協会)指導者賞、KGA指導者賞を受賞し、2011年には体育勲章である「猛虎章」を授与された。

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